無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第22話

とぅえんてぃーとぅ
5月25日。快晴。







世界中の人間達は、いつもよりざわめいていた。


────────明日、世界が終わる日。

そう。あと一日経てば、この世界は彗星と共に消滅する。



そんな今日、僕は夏樹と一緒に大学へ行く約束をした。
西風 柚希
一年も早いもんだな‥‥
すると、道の先の信号の前で夏樹が手を振っていた。


僕は、小走りで夏樹の所へ向かう。




けど────────────



















夏樹は、赤信号を走り始めた。




















西風 柚希
‥‥‥は?



キキーッ!




そして、鈍い音と共に夏樹の体が車に当たって跳ね返る。




近くには、小さい子供がいた。





















子供を、守ったんだ。





引かれそうな所を見て、飛び出したんだ。
女性
きゃぁぁぁぁぁぁ!!
男性
は、早く!救急車を呼べ!!
倒れた夏樹の隣で、子供が大きな声で泣いている。




西風 柚希
夏樹!!
僕は全速力で走りだす。

そして、夏樹の体を抱き起こす。
西風 柚希
夏樹!おい!!
すると、夏樹は口を動かした。
桜島 夏樹
‥‥柚希
────────え?
西風 柚希
な、夏樹‥‥声が‥‥‥
桜島 夏樹
うん、聞こえる。
桜島 夏樹
柚希の声、かっこいいね
夏樹は、力無く笑った。
桜島 夏樹
そういえば‥‥
桜島 夏樹
ちゃんと言ってないや
そして、夏樹は僕の頭を自分に引き寄せて顔を近付けた。




────────チュッ




‥‥これは、世に言う《キス》だ。
桜島 夏樹
好きだよ、柚希
夏樹は力無く、でも優しく、とても嬉しそうに笑った。


















そして、静かに目を閉じた。





















西風 柚希
‥‥は?
西風 柚希
夏樹?
名前を読んでも、返事がない。
西風 柚希
世界消滅、明日だよな?
西風 柚希
まさか、前日に倒れるとか言わないよな?
西風 柚希
なあ‥‥
分かってる。分かってるハズなんだ。


夏樹の呼吸は既に止まっていて、僕の手には夏樹の血がべっとり付いていて、もうこれで分からない人はいない。







遠くから、サイレンの音が聞こえる。


















でもそんなの、どうでも良かった。