第9話

My Prince #8
605
2019/12/18 13:45
涼介
涼介
お前らなにしてんの?
そう言って出てきたのは涼介くんだった。
女子
あ、あのっ!これは...その...
涼介
涼介
全部聞こえてたから。
俺がいつお前のものになったんだよ?
女子
......
涼介
涼介
早くどっかいけよ。
女子
ご、ごめんなさい...
謝りながらも1人の子が
私にしか聞こえないくらいの音で舌打ちした。


女子たちはムカつきながらもどこかへ行った。
涼介
涼介
大丈夫?
あなた
う、うん...
涼介
涼介
立てる?
あなた
...ッ!
立とうと思ったけど痛みが走って立てない。
涼介
涼介
ちょっと、いい?
私が立てないことに気づいた涼介くんは
背中に私を背負った。
あなた
ちょっと...!
流石に学校でおんぶするのは...!
涼介
涼介
なに?自分で歩く?
私が歩けないのをわかってるくせにそう聞いてきた。

涼介くんっていじわる、!

私はおとなしく涼介くんに体重をかけた。

それから、保健室まで歩いた。
周りの目がすごく気になったけど。
涼介
涼介
あれ、先生いないな。
保健室についたけど
保健の先生は職員室に行っていていなかった。

涼介くんに座ってって言われたから近くの
ベッドに座った。

蹴られたところをみたらアザになっていた。
涼介
涼介
ちょっと待ってて。
涼介くんはビニール袋に氷水を入れてくれた。

アザに押しつけると痛みが少し和らいだ気がした。
涼介
涼介
これでいっか。
涼介くんは私のとなりに座った。












《 涼介side 》

とりあえずあなたのとなりに座ったけど
なんか気まずい。
大丈夫?
かける言葉が見つからなくてそう聞いた。
あなた
…うん!大丈夫だよ!
大丈夫って言ってるけど笑顔が引きつっている。
本当は大丈夫じゃないんでしょ...?
ずっとあんなことされてたの?
あなた
蹴られたりしたのは今日だけ...
辛かったんだろう、今にも泣きそうだ。
泣きたいなら、泣いていいよ?
なんだろう、あなたの前だといつも言わない
こんな言葉も出てくる。
あなた
グスッ...
あなたは俯きながら泣きだした。


急に、心が締めつけられたみたいになった。

なんだこれ。なにこの気持ち。

あなたのこと、守ってあげたい。


俺は思わずあなたの頭に手を伸ばしていた。
そして、優しくそっと撫でた。
あなた
涼介くんって、優しいね。
涙目で微笑んだあなた。


また、心がきゅっと締めつけられる。


俺、もしかしてあなたのこと___














好きなのかも。

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