「話ってなんですか?」
医者「話は、明日するよ。今日は起きたばかりだしね、安静にしておくんだよ」
ニコッと笑いお医者さんは部屋を出ていった
「…緑谷くんごめんね」
緑谷「?なんで謝るの?」
「だって、私、ステインと戦う前、大丈夫って言ったのに…」
"大丈夫"その言葉は実行出来なければ意味が無い
ステインに勝ち、無事でいる。
そこまでして、"大丈夫"その言葉が成り立つんだ。
なのに私は…
「…ステインと、戦って、向こうにちょっと油断とミスがあったから勝てたんだ。私…」
ステイン『お前はまだ生かしておく価値がある』
ステインは死に際までそう言って私を本気で殺そうとはしてこなかった
「私がステインの粛清対象とかいうのになってたら、確実に今、生きてない…。」
まだ弱い私がヒーロー気取って戦ったって、
助けられるものを助けられない可能性のが大きくなる
「だから…」
緑谷「時空さん。僕の話、聞いてくれる、かな?」
もう一度謝ろうとした私に緑谷くんは言葉を重ねる
いつもの優しく微笑むようで真剣な眼差しにコクンと頷いた
緑谷「あの時ね、時空さんが"大丈夫"って言ってくれたこと本当に感謝してるんだ。」
「…感謝?」
緑谷「時空さんを置いてヒーローを呼びに行った時他のヴィランに襲われてる人が沢山居て、」
緑谷「僕、その時一瞬、迷ったんだ。」
苦しそうな緑谷くんの手を握りながら話を聞く
緑谷「っ…ステインと戦ってる時空さんと、今目の前にいる人達。天秤にかけた訳じゃないけど、両方助けようとしたけど、同時に2つなんて出来なくて…」
「うん。」
緑谷「その時、時空さんの"大丈夫"って言葉を思い出して、目の前にいる人を助けられたんだ…」
緑谷「戻ったら時空さんが息してなくて、っ…すっごい後悔…っした、けど…」
「緑谷くん…。」
緑谷くんは袖でグッと涙を拭って話を続けた
緑谷「実はあの後、僕、脳無に連れ去られそうになって…」
「!?」
緑谷「そんな時、ステインが僕を助けて脳無を倒したんだ」
「ステイン、まだ倒せてなかった…の…?」
緑谷「ううん。ステインは肋骨が肺に刺さってたらしくて、その場で亡くなった。」
緑谷「でもステイン、最後に僕にしか聞こえない大きさでこう言ってた。」
ステイン『あの女、あの女なら、この世のヒーローを託しても、いいだろう…。』
緑谷「時空さんは、強いんだ…。そう思った」
…強い。
「…強いの基準が私には分からないけれど、」
「ステインにそう言われるなら、ヒーローになる夢諦める訳にはいかないね。」
緑谷「っ!…時空さん。」
「ん?」
緑谷「ありがとう。」
なにのありがとうか分からないまま緑谷くんは病室を去った
__________________________
いやぁ、何日ぶり!?
ってぐらい更新してなかった…
すいませんでした🙏🏻
時空ちゃんちょっとずつキャラズレしてきてる気がするんだよネ…
頑張ります(^^;;(^^;;
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。