第43話

episode 42
4,530
2021/02/05 22:00





緑谷くんが気を利かせて



『…昨日起きたばかりだもんね。また、明日話に来るね。』



と、去った。



「…グズッ。」



緑谷くんが去ったこの病室には



私の泣き声と、絶望の感情だけが宙を舞った







No side



看護師「あなたさん〜」



時刻は正午



1人の担当看護師が食事の乗ったワゴンを押しながら病室のドアを叩いた



看護師「?(あなたちゃん返事…ないわね、寝てるのかしら…?)」



いくら呼んでも返事の返ってこなかった看護師は



入りますよーという声と一緒に病室へ入った



看護師「あなたちゃーん…__えっ、あなたちゃん、、?」



困るのも当たり前だ。



寝ているはずのベッドには抜かれた点滴の針とパジャマ。空っぽになったベッドがあったのだから。







時空side



「…」



別に『ここ!』といった目的地はない。



ただそれでもひたすらに泣き腫らした目を冷やすように住宅街から外れた道を歩く



「…」



正直、なんで私が…って思ってる。



医者『…君は個性が______』



話を思い出すとダムを壊したように涙が溢れだしてくる



「…お母さん…。」



その言葉を口にして、



また『あぁ、私は1人なんだ』と自覚する



1人ぼっちには慣れたと思っていた。



「…やっぱ、さみッしい…なぁッ、、。」



空を見上げるとカラッと晴れた青空



この地球上で、私だけが取り残されている



そんな気分になった







轟side



ステイン事件で意識不明になった時空あなた



あの時、やはり残って一緒に戦っていれば…



と、心のどこかでずっと思っている



今はまだ職業体験中



毎日お見舞いに行けるわけじゃねぇ。



でもこの前緑谷から



『時空さん!目!覚ましたよ!!!』



そんな電話が来た



親父にその事を話して、



1日offを貰った。





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