いつもの学校帰り。
私より頭が良く、レベルの少し高い受験学校へ行った自慢の1歳年下の妹が部活offの日と言うことで、妹の学校まで向かっている途中の出来事だった。
一瞬、何をされたか分からず、振り向こうとして、拘束されていることに気がついた。
手足を動かし、少しでも抵抗をと思ったのだが、すぐに意識は薄れていった。
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意識が戻り、状況が確認できるか試そうとしたが、そんなのは甘い考えであった。
目隠しをされていた。
多分だが、ベットの上だろう。ジタバタとしてみるが、腕と同時に足も拘束されていた。
ベットについてるような拘束器具は、もう鉄特有の冷たさなどが全くと言っていいほど無く、器具と触れ合うところが少し汗をかいているため、拘束されてからだいぶ時間が経過した事が分かった。
息を思いっきり口からはいても、この程度の声しか出ない。
だいぶ分厚いタオルがしてあるのだろう。
目隠しは瞬きが出来るが光が全く無い。
だが、手足よりも通気性が良い。
息をすれば少しその風が入ってくるので多分そんなにちゃんとした目隠しでは無い。
頬と鼻の間の隙間から風が入るものの光は来ないので部屋に電気はついていないだろう。
だが、これ以上に分かる事は空腹ということだけなので、光がつく、または犯人側がなにかアクションをするまで私はこのままと言うことだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!