ぉぉおおおおおっ!
兵士たちの叫び声と戦火に包まれる城。
我が軍の兵は100、敵軍は3000と勝利は絶望的だ。
俺は弓を持ち、敵陣へと足を進めようとする。
『ここは危ないです!お逃げ下さい!』
従者が俺の腕を引っ張る。
『御館様はどうする!見捨てろと言うのか!?』
『お命が優先です!』
『俺が生き残ったとしても…お家再興は出来ぬ!』
従者の腕を振り払い、敵陣へと突っ込んでいく。
敵に斬られながら、頭の中では彼を思い浮かべた。
どうか無事でいてください。
貴方を守るために、俺はこの命をかけて戦います。
どうか、無事で…
登場人物紹介
タップをお願いします。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!