第4話

2回目
75
2018/02/26 13:58
優桜の母
起きなさい、優桜。
春川 優桜 ハルカゼユラ
ん…?
優桜の母
今日は高校の卒業式だけど、体調悪くない?
春川 優桜 ハルカゼユラ
…うん。
本当に同じ日を繰り返している。3回ものチャンスが私にあるんだ。
春川 優桜 ハルカゼユラ
行ってきます。
優桜の母
行ってらっしゃい。あとでお母さん達も行くからね。
すごい。言われた言葉も全く同じ。
桃井 梅瑠 モモイメル
おはよう。
春川 優桜 ハルカゼユラ
あ、おはよう。
桃井 梅瑠 モモイメル
どうしたの?
春川 優桜 ハルカゼユラ
えっ…ううん、なんでもない。
もう少しで事故にあった場所にくる。
桃井 梅瑠 モモイメル
…でね、先生達が今日の卒業式で…
あと少し。
桃井 梅瑠 モモイメル
あっ!優桜危ない!こっ…
私は梅瑠に言われる前によける。
『キーーッ!!ガッシャーン!!』
桃井 梅瑠 モモイメル
よかっ…たぁー。
梅瑠は下にしゃがみ込んだ。私も驚いた。車は近くの家の柵を壊し、車自体は潰れてしまっている。自分がこの事故に2度も巻き込まれたのかと思うと急に怖くなってしまった。
桃井 梅瑠 モモイメル
この事故で優桜が死んじゃったら私、卒業式行っても卒業した感覚もないまま生きていくとこだったよ。
春川 優桜 ハルカゼユラ
…大袈裟だよ…。
自分が死んだ時、梅瑠はどんな気持ちだったんだろう。本当に卒業という感覚もないまま卒業式に参加したんだろうか。それなら梅瑠には2度も申し訳ないことをしてしまった。
春川 優桜 ハルカゼユラ
遅れちゃうから行こう。
桃井 梅瑠 モモイメル
だね。じきに警察の人とかも来ると思うし。遅刻しちゃいけないからね。
私達は足早に事故現場を通り過ぎた。

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