本当に同じ日を繰り返している。3回ものチャンスが私にあるんだ。
すごい。言われた言葉も全く同じ。
もう少しで事故にあった場所にくる。
あと少し。
私は梅瑠に言われる前によける。
『キーーッ!!ガッシャーン!!』
梅瑠は下にしゃがみ込んだ。私も驚いた。車は近くの家の柵を壊し、車自体は潰れてしまっている。自分がこの事故に2度も巻き込まれたのかと思うと急に怖くなってしまった。
自分が死んだ時、梅瑠はどんな気持ちだったんだろう。本当に卒業という感覚もないまま卒業式に参加したんだろうか。それなら梅瑠には2度も申し訳ないことをしてしまった。
私達は足早に事故現場を通り過ぎた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。