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第10話

彰人の言葉に、いちいち揺られる。
話さない、という自分の頑なな決意さえ、いとも簡単に。


「…お前は、俺のことなんか、どうでもいいのかよ。」


話さなきゃ、という気持ちと、話しちゃダメだ、という気持ちが双方あって、どっちにも動けない俺を見て、
彰人は怒った、というよりも傷付いた顔をした。


(違ぇ、そんなんじゃねぇよ…)


俺だって、彰人のことは大切だ。
きっと、こんな俺とずっと親友でいてくれた唯一無二の存在だと思う。

でも、だからなんだよ。


「…分かったよ。お前が、そういうことなら。」
「彰人っ…、」


ダメだ、やっぱり。
これ以上、親友の傷付いた顔は、見ていられない。


何を思われても構わないから、とりあえず、話さないと。


「やっぱ俺、彰人に話ある。…だから、これで最後でも良いから、付き合えよ。」
「…バーカ、だったら最初からそう言えよ。」


ふ、と笑う彰人は、いつの間にか、いつも通りに戻ってて。
そんな彰人を見たら、俺も肩の力が抜けて、ホッとした。


…そして俺は、彰人に全てを話した。
余命はあとわずかだということ、学校に通えるのはもう、1ヶ月をきっていること。

山口に告白したのも、そういった背景、そして、
俺が山口をずっと好きで、最後くらい、彼女といたい、とう想いがあるから、ということ。


「…驚くよな、こんな話。」
「あぁ。さすがに、平然として聞いてはいられねーよ。でも…、話してくれてありがとな。」


礼を言うのは、こっちの方なのに。
そんなことを思いながら俺は、彰人の横顔を見る。


「…遅刻、したな。」
「あぁ。」


話をしていたら、とっくに登校の時間は過ぎていて、完全な遅刻だ。
それでも俺らは、不思議と穏やかな気持ちのまま、教室へと向かった。

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Salt Sugar
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