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第11話

「遅い!」


俺と彰人が教室に入ったら、教師からの第一声はそれだった。
当然だけど。


怒りの形相をあらわにした先生。

しばらく俺らに小言を言っていたが、止まらなそうなのを見兼ねた学級委員が、
『授業、続けないんですか?』と言い、小言はそこで止まり反省文を書かされるにとどまった。


自分の席に戻る途中、ふと山口と目が合う。
彼女の存在を視界に入れた途端、心がぎゅっと掴まれるような、そんな感覚に陥る。

俺は、『お・は・よ』と口パクで山口に伝えて、席につく。


教科書やらノートやらを取りだし、黒板に書かれたことをメモ書き程度にまとめる。
それが終わって、何となく目を泳がせると、意識せずとも山口の方へ、視線はいってしまう。


(そうだ、明日、土曜日だよな)


デートとか、ダメかな、さすがに。
でも、ダメもとで、誘ってみようかな…特に行き場所とか決めてないけど、それは、山口の行きたいところで。

山口が行きたい場所って、どこだろう。
映画館?遊園地?ショッピング?

…やっぱ、分かんないな。


「んー…。」
「じゃあ、橘。この問題、解け。」
「はっ!?」


急に指されたんだけど。
てか、どの問題を解いたら良いんだよ、と思いつつ、黒板の方へ足を進める。


「…橘くん。」


不意に小さな声がして、その声の方を見ると、山口が俺に向かって小さな紙切れを差し出していた。
不思議に思いつつ、それを受け取る。

こっそり、それを開くと、可愛らしい文字で俺が解くべき問題の答えが書かれていた。


(やべぇ、すげぇ嬉しい)


あとで、お礼を言おう。
俺はそんなことを思いつつ、後ろを振り向き、山口に微笑みかけた。

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Salt Sugar
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