講義室の1番後ろの端に座り講義が始まるのを待った
ジュンくんが可愛いとか言い出すから恥ずかしくて早く来ちゃった
美大だから話を聞くっていうよりは自分で何かをする作業が多い
イヤホンをして曲をかける
私は絵を描く時曲を聴かないと集中できない
A4サイズのスケッチブックを出して絵を描きだした
描くのはガーベラ
私の1番好きな花
とんとんと肩を叩かれ振り向く
「ぁ、ジュンくん」
JN「と、隣座ってもいい?」
「うん!いいよ〜」
JN「、、ガーベラ?」
私のスケッチブックを見てそう言うジュンくん
「うん、私の1番好きな花なの」
JN「凄い上手。綺麗だね」
本物の花じゃなくて絵なのに
"綺麗"
そう言うジュンくんは少し不思議なんだ
でも瞳は凄くキラキラしていて嘘じゃないことが分かる
「ありがと~」
JN「…もし良かったらでいいんだけど、、それ貰ってもい、い?」
"それ"は多分ガーベラが描かれた紙のこと
「うん!こんなのでいいならどうぞ!」
紙を切ってあげると嬉しそうに笑う彼
凄く綺麗
「あれ、そう言えばジュンくんもこの講義受けるんだ?」
JN「うん、ここの先生分かりやすいから」
"あ!あなたさんいる!行く?"
"バカ!お前隣の奴見えねぇのかよ!ジュニがいるから無理だろ"
"、、また今度だな"
"ねぇ!見てジュンくんいるよ!!"
"本当だ!かっこいい♡"
"でもジュンくんにはあなたちゃんいるしね!本当にお似合い可愛いカップルだよね!"
"ね!"
…………恥ずかしい
熱い顔を伏せているとジュンくんに話しかけられた
JN「大丈夫、、?具合悪い?」
私のおでこに手をあてて眉を下げるジュンくん
「だ、大丈夫だよ!」
JN「無理しちゃダメだよ?」
何故がドキドキする胸を抑えて講義を受けた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。