急がなきゃ
先生が、待ってる
美術室
なるべく、先生の前では笑っていよう
そうなんだ
朝、薬を服用するのを忘れて…
嘘つけてるかな…
やばい
なんか、血出てきてる
先生…
その顔は、反則でしょ
上目遣いは、可愛すぎる
…
よかったぁ
バレてないよね…
先生はたまに、儚げな顔をしてくる
今にも、死にそうな…
笑っている時でも、奥に何かがありそうな
今までは、それが心配だったが、
今では、怖いものとなっていた
その儚げな顔は、私の全てを知っているような…
よかった
大好きって言ってもらえて
なんで、急に大好きって言って欲しかったのか
そんなの知らない…
今涙が出てる理由なども
「わからない」
今日は、部活動が休みな日で、ほとんどのひとが下校していた
幸いバレにくい状況でよかった
泣き疲れたのか、眠くなってしまった
寝て、起きたら、そこは、見慣れた景色
先生の部屋だった
ふわっとした綺麗な笑顔で聞いてきた
ソファに座った先生は、隣に来てと
いうような仕草をした
先生が入れたココアは、甘くて温かった
なぜか、わからないけどまた泣けてしまった
頬に伝う涙を先生が指で拭いてくれて
甘い甘い口付けをしてくれた
愛情が全て注がれているような…
大好きです
ごめんなさい
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。