第6話

わからない
47
2021/04/03 15:46
急がなきゃ



先生が、待ってる



美術室
you
はぁ、はぁ遅れました
さとみ先生
あなた、
you
はい?
なるべく、先生の前では笑っていよう
さとみ先生
あのさ、どうかしたの
you
え…
さとみ先生
今日、なんか、おかしいよね
そうなんだ



朝、薬を服用するのを忘れて…
さとみ先生
なんか、朝もしんどそうだった
てか、最近あなた変わったよね
俺なんか、したかな
you
いえいえ
そんなこと
嘘つけてるかな…
さとみ先生
ふーん
やばい



なんか、血出てきてる
you
あっ、あの用事があるので!
さとみ先生
だれ?
you
友達です
さとみ先生
今日だけ一緒にいて…
先生…



その顔は、反則でしょ
上目遣いは、可愛すぎる
you
しょ、しょうがないですね
それじゃ、ちょっとトイレ行ってきます
さとみ先生
うん
you
薬飲まないと
さとみ先生
あなたっ何してんの
薬…病気なの
you
いえいえ
ちょっとした鼻炎を起こしてしまってですね
さとみ先生
ふーん
よかったぁ



バレてないよね…
先生はたまに、儚げな顔をしてくる



今にも、死にそうな…



笑っている時でも、奥に何かがありそうな



今までは、それが心配だったが、



今では、怖いものとなっていた



その儚げな顔は、私の全てを知っているような…
you
せんせっ
さとみ先生
ん?
you
大好き
さとみ先生
俺も大好き
よかった



大好きって言ってもらえて



なんで、急に大好きって言って欲しかったのか



そんなの知らない…



今涙が出てる理由なども



「わからない」
you
すきっ、なの
さとみ先生
うん
今日は、部活動が休みな日で、ほとんどのひとが下校していた



幸いバレにくい状況でよかった



泣き疲れたのか、眠くなってしまった
寝て、起きたら、そこは、見慣れた景色



先生の部屋だった
さとみ先生
あなた?起きた?
ふわっとした綺麗な笑顔で聞いてきた
you
はい、今起きました
さとみ先生
ん、ココア入れたから、飲んで
you
はい、
ソファに座った先生は、隣に来てと
いうような仕草をした
先生が入れたココアは、甘くて温かった



なぜか、わからないけどまた泣けてしまった
さとみ先生
あなた…どうしたの今日
you
さとみくん…
離れ離れになるのなんて、一生いやだからね
さとみ先生
俺も離れたくない
頬に伝う涙を先生が指で拭いてくれて



甘い甘い口付けをしてくれた



愛情が全て注がれているような…
you
大好きです
大好きです



ごめんなさい

プリ小説オーディオドラマ