起きたら図書館は誰もいなかった。
時計を見ると6時前で閉館間際だった。
……嫌な夢
私はちゃんと生きてるし…倫さんは神様だ…
もうあの人の言うことなんて信じない…信じたらダメ…
リュックサックを背負って私は走って家に帰った。
「試しに自殺でもしてみれば?死ねないし無傷でいられるよ」
あなた「……………。」
大丈夫…私はちゃんと生きてる…だって倫さんに助けてもらった…
…なんで倫さんの為になるの……死体なんか探して…あの人は嫌いだ…
私は家に着いてすぐにベットにダイブした。
倫「あなた寝てるの?」
あなた「…寝てない」
倫さんがやってくる木曜日。相変わらず私をあぐらの上に座らせて空中を浮く。
もう私も慣れた。
あなた「嫌な夢…見たくないから寝られない…」
あの人に会いたくない…寝たらまた出てきてしまうかもしれない…
倫「大丈夫だよ。俺が守ってあげるから」
あなた「うん…倫さん」
抱きしめてくれる倫さんはいつも通り和服で空を浮く。
人間なわけない…
私はちゃんと倫さんに抱きしめられてる…
あなた「…………倫さん」
倫「ん?」
あなた「倫さんはどうして私を助けてくれたの…?」
倫「急だね」
あなた「気になっちゃって」
倫「んー……どうしてだと思う?」
あなた「え〜…気まぐれ?」
倫「違うよwあなたの事守るって決めてんの。俺みたいな面倒くさがりの奴が理由があって助けないし」
あなた「私守られてるの?」
倫「うん。大丈夫あなたは俺が死ぬまで守ってあげるから」
あなた「うん…!」
やっぱり私は倫さんの事が好き。
あの人とはもう会わない
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!