いぇあ!テオくんだぜ!!!((あ、寺島だよ
あのさ、今日の放課後にじんたんが話してくれるの!
いつも話さないじんたんが喋るんだよ?
めっちゃ楽しみなんだけど!!
早く学校終わんねーかなー?
キーンコーンカーンコーン
気付いたらもう昼ごはんの時間だった。
ずっとじんたんのこと考えててなんも授業聞いてねーや。
じんたんどこだー?
あ、いたいた。
俺はじんたんの元へ行き、机を叩いた。
そしたらじんたん、ビクッてw
あ、そうだ、じんたんにだけならいっかな。
まあ、そりゃそうか。
だって屋上は立ち入り禁止だし、入れないようになってる。
俺は弁当を片手にじんたんの腕を掴んだ。
そして屋上へ向かう階段を上った。
そのドアには大きな鍵がある。
俺はその鍵の開け方を知ってる。
ここを、こうやって押すと……
ガチャ
ほら、開いたでしょ?
じんたんは戸惑いつつも一緒に来た。
そして一緒に弁当を食べた。
俺は朝に喋り尽くしたかわかんないけど、
喋ることがなーんもない。
じんたんは喋んないし、
めっちゃ静かだ。
ふいに、
俺は空を見上げた。
雲ひとつない快晴。
すごく心地いい風。
俺は大空に向かってピースサインをした。
まぬけな声が出た。
だってじんたんが急に言い出すんだもん。
俺は聞いた。
スカイピース。
すごくいい響きだ。
じんたんは褒められたせいか、顔が赤い。
そして俯く。
その後、
じんたんも空にピースサインを掲げた。
俺もつられて掲げる。
俺はじんたんの横顔を見た。
目が輝いている。
青い空のせいか、目もほんのりと淡い青色だった。
それがすごく綺麗だと感じた。
自然とじんたんを見つめていた。
言葉に出来ないような感情だ。
これは、
恋なの、かな……………?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。