顔を上げると恭君が居た。
そういうと、お祖父ちゃんに手を合わせ挨拶をしてくれた。
留学…
恭君もいつかはするかもとは思っていた…こんなに早くとは思って無かった。
私の後見人を恭君の御両親が引き受けてくれたからずっと一緒に居られるかもって勝手に思っていた。
そっか…留学か…
頬を触ると涙が流れていた。
ズルいな…
嫌いなわけないのに…
婚約…恭君が私の旦那様で、私は恭君のお嫁さん。
こんなに嬉しいことなのに素直になれない自分が大っ嫌い…。
変わりたい…恭君と一緒にいる為にも
恭君が私の額に約束の印とキスをしてくれた。
行ってきます…と恭君が家を出て行くと涙腺が崩壊し、声を上げて泣いてしまった。
帰って来る時までには、隣に立って釣り合う女の子になっていたい。
私も頑張るからね!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!