第18話
白いもの
小さくそう呟いてドアを開ける
…なにこれ
靴を脱いで少し進むと
白くてちょっとねっとり(?)したものが
床や壁
あらゆるところについている
んん?
気になってそれに手を近づける
いやだめだめ
もし変なものだったら…
一瞬白いものから目を離して再び見る
…ちょっと
ちょっとだけ
恐る恐る人差し指で撫でるようにそれをすくった
なんでここにクリームが?
それもこんなに沢山…
目の前のクリームを見つめながら考える
奥から聞こえるマサイの声ではっと思いだす
そういえばなんか助けて欲しいんだっけ
床についたクリームを避けながら
声のする方へ向かう
手前の部屋から耳をすましていく
ちがう、ここもちがう
ここもここも
とうとう最後の部屋
1つ深呼吸をしてピタッと耳をつける
中からはドタドタとはしりまわる音がして
確実にここだと思った
"ガチャ"
ドアを開けてと同時にシルクの声が
部屋中に響きわたり
そして
"ぶぉん"
勢いよく白い皿にのったものを投げた
その何かはマサイの顔に見事命中し、
白い皿が顔に張り付いてる状態に
いやいや楽しそうだけど何この状況
部屋中真っ白だし…
とりあえず説明を聞かないと…
私の問いに答えず4人は目を大きく見開いた
えっ、気づいてなかったの
かなし( '-' )
マサイが真っ白な顔でこっちに近づいてくる
いやこの部屋も相当白いけど
君の顔も同じくらい白いね?
あぁ…
あのクリームはパイのクリームだったのね
いやそれにしても凄いな…
片手にパイをのせてにやにやと笑う
そしてまたマサイに向かって投げつけた
前にいたマサイが急にしゃがみこむ
さすがに投げられ続けてるから反応がはやい
しゃがみこんだマサイを見て小さく笑う
視線をマサイからシルクへ戻す
あっ、
パイが飛んできているって気づいた時には
もう遅かった
視界がクリームで包まれていて何も見えない
…ん?あれ?
ペリっと顔についた紙皿を剥がされ
視界が明るくなる
ペちっと手を合わせてシルクが頭を下げてきた
なんで謝って…
あっシルクの投げたパイが顔に命中したのか
がっついてたなんて失礼だなぁ
あっ、適当に流された 泣
やっぱレディファーストだよね
モトキはわかってる
みんなに送りだされ私はお風呂へと向かった
✁ ✃ ✁ ✃ ✁ ✃ ✁ ✃
アデュー!!