第3話

2.白い森のなかで。
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2023/11/01 15:43
~らんside~


……ガタッ。



また、視点が切り替わった。



ここは…森……?



どこかで、見たことある森だ。



…そうだ、ここは、俺がよく行く森だ。


全体的に暗い雰囲気で、いつも靄がかかっている。

それが逆に落ち着くのだ。



…森の奥へと、進む。

奥へ進むとともに、彼岸花や紫苑が咲いていく。


足を進めるごとにどんどん花は増えていって。


らん
はぁ、はぁ…
息が、苦しくなる。


足取りも、どんどん重くなっていく。


まるで、進むことを拒否しているかのように。




…それでも、俺は足を無理矢理動かす。


すると、一本の一際大きな木がたっている場についた。



…そこには。

らん
はっ……
一人の、人間が首を吊っていた。


『それ』はもうピクリとも動いていない。


足は地面から離れていて。腕はダランと垂れ下がっている。


…死んでいる。




顔はよく見えない。


それなのに、何故か知っている。


いや、知っているレベルではない。…俺は、この人と……
らん
っ…!う、あ…
誰だ。誰なんだ、この人は。


知りたいのに、もうそれ以上は進めない。




…そもそも、なんで、俺はここにいるんだ?



俺は、シクフォニのもとへ、いなきゃ。


……いたいのに。傍に。



なんで、こんなところで独りでいるの、?


いやだ、いやだ……!



「ここにいてはいけない。」




そう直感的に感じた。



足を遠くへ、来た道に走らせる。




我武者羅に走る。


それでも何故か、咲き乱れる彼岸花を踏むことはできなかった。





まって……
らん
はぁ、はぁ…!
さっきいた場から、声がする。



…聞いてはいけない。



そう考え、走り続ける。

お願い、行っちゃ、だめ…
ここに、「置いていかないで。」…
らん
…え、?
…!もしかして…!
らん
…わかった!今度、「みんなを連れて」ここにくるね!
これでいいだろう。






そう考え、俺はまた走った。





そのあとに続かれた言葉に、気付くことなく。


ちがう…それじゃ、だめ……
みんなを連れてこないで。傍にいないで……




…独りでいないと、駄目なの……




走って、走り続けて。



ようやく、外の明るい日差しが見えてきた。



やった…ようやく出られる…!




……そう考えた矢先。


らん
…っ!?なに、これ…!
地面から、黒いドロドロとしたものが出てきた。


「それ」は俺のもとにやってきて、絡みつき、ついには閉じ込める。


らん
やだっ…!だれ、か……!!



「たすけて。」



そう言うことができないまま、俺は意識を失った。







……ザザッ。








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