良平と別れ数ヶ月。
またこの季節がやってきた。
今日はキラフェス。
あなたは浪川にお礼を言うと助手席から降りた。
あれから、ポストにイタズラや脅迫など、嫌がらせがあったが。
1か月前にあなたは浪川と同じマンションに引っ越してからイタズラがピタリと止んだ。
あれから浪川が良平に事情を説明し、お互いに謝ったが付き合い直すという話はしなかった。
先に行く浪川をあなたは小走りで追いかけた。
楽屋の前を小走りで走るあなたを見て代永が呟いた。
あなたはドアから顔を出して挨拶しに来た。
あなたは手を振ると「あ!神谷さん!」と神谷の所に行った。
今度は浪川がドアから顔を出して来た。
浪川は廊下に向かってあなたの名前を呼んだ。
良平は席を立ち楽屋から出て行った。
廊下を出ると浪川とあなたと柿原がじゃれ合っていた。
付き合い直したいって言えるかよ……。
俺のせいで辛い思いさせたのに……。
それに……俺の前ではあいつは昔みたいに笑ってくれない。
2人が本当に仕事仲間として信頼してるから別れた後でも、あぁやってふざけ合ったり出来るのは分かってる。
でも、何処かでそれが羨ましいと思ってたのかもしれない。
良平は頭をポリポリかきながらステージに向かった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。