第72話

指輪
1,458
2020/09/20 15:00
木村良平
木村良平
ん……。
…………。
いない……。
目を閉じたまま腕を伸ばし隣にある物が無いことに気付くと、コーヒーの匂いがした。
木村良平
木村良平
んー。
8時か…………。
体を起こし、背伸びをすると床に散らばっている服を着てリビングに向かった。
あなた

あ、おはよう。

木村良平
木村良平
おはよう……。
良平は後ろから抱き着くと自分の顎をあなたの肩に乗せた。
あなた

目玉焼きとスクランブルどっちがいい?

木村良平
木村良平
んー。
スクランブル……。
あなた

まだ眠い?
コーヒー飲む?

木村良平
木村良平
うん。
お前は朝から元気だな。
昨日のじゃ、まだまだいけるって……。
いってぇ!
あなたは良平の足を踏んだ。
あなた

邪魔だから、向こうで大人しくコーヒー飲んでなさい。
エロ声優。

あなたは笑顔で良平にコーヒーの入ったカップを渡した。
木村良平
木村良平
はい……。
良平はカップを受け取るとソファーに座りテレビをつけた。
たまにチラッと料理をしているあなたを見た。

この光景が毎日見れるようになるかと思うと……。
木村良平
木村良平
幸せだな……。
良平はコーヒーを1口飲んだ。
木村良平
木村良平
今日何時入りだっけ?
朝食を食べ、あなたは洗い物。
良平はスマホをいじりながらあなたに聞いた。
今日は2人が出演しているアニメのイベントだ。
あなた

12時。
イベントが15時から。

木村良平
木村良平
今からだと家出るのが…………。
余裕あるな……。
あなた。
楽屋入る前に買い物しよ。
あなた

あぁ。
あの辺結構ブランドあるしね。
なんか欲しいのあるの?

木村良平
木村良平
まぁね。
お前は?
あの辺に好きなブランドあるの?
あなた

あんまこだわりないな。
気に入ったの買っちゃうタイプ。

木村良平
木村良平
わかった。
用意しろ。
タクシーで行こう。
2人はタクシーで現場近くに行くと、街をぶらぶら歩き出した。
あなた

ね?
何買うの?

タクシーを降りてからもスマホをいじっている良平にあなたは聞いた。
木村良平
木村良平
んー。
ちょっとな。
あっちか……。
行くよ。
スマホで地図を見ていたようで良平は場所を確認するとあなたの手を握った。
あなた

え!ちょっと!
見られたらどうするの?!

木村良平
木村良平
なんで?
俺らもぅ公開プロポーズまでしたのに、今更でしょ。
もぅ婚約者なんだから気にする必要ある?
あなた

確かに……。
でも、今日のイベントでいじられるのは覚悟してる……。
あれからまだ2週間だし……。

木村良平
木村良平
俺もw
だから、逆に堂々としよう思って。
はい。着いたよ。
良平が指さした店を見た。
あなた

ジュエリー屋さん?

木村良平
木村良平
うん。
俺もあの日、当日にプロポーズしようって決めたから指輪用意してなかったし。
だから、今日は婚約指輪買お。
ここのブランドなら、お前の好きそうな感じのありそうだったし。
あなた

もしかして……朝からスマホいじってたのって……。
調べてくれてたの?

木村良平
木村良平
そうだけど?
あなた

…………。

木村良平
木村良平
楽屋入ったらキスしてあげるから、今は我慢しなさいw
良平は微笑みながらあなたの頭を撫でた。

なんで分かっちゃうんだろう……。
木村良平
木村良平
ほら、早くしないと時間無くなる。
良平はあなたの手を引き、店に入った。

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