【主人公の過去 続き】
中学を卒業するころ
私の夢は
お姫様からアーティストに変わっていた。
と言っても、
昔の事を覚えていた訳じゃないんだけど
そんな私の夢を応援してくれる
お父さん、お母さん。 そして
2人の仲間。
リクとヒナタ。
2人は、ピアノスクールで知り合った同級生
努力家で明るいリク、
天然でマイペースなヒナタ。
私を理解してくれる大切な存在だ。
そして3人とも仲良く同じ音楽高校に通う。
2人でギャーギャーと騒いで居たら
起きました、ヒナタくん。
うとうとしながら椅子に座り
【月光】を弾き始める。
詩音とリクはそんなヒナタを見つめる。
ヒナタくん、ピアノ弾いたら凄いんですよ。
表現力と音の強弱、滑かな指の動き。
彼しか出せない、世界になる曲。
うっとり【月光】を聴く2人は
いつも置いてきぼりだ。
弾き終わると、眠い~っていい帰っていく
ほんとにズルい!!!!!
彼が間違いなく1番の上手さなのに
ヒナタには欲がない。
コンクールとか、オーディションとか
全く興味が無いのだ。
でも、私はそんなヒナタが好きだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!