あなたが居なくなって 、 半年が過ぎようとしていた 。
肌寒かった頃から一転して 、 暖かくなり桜の蕾がもう時期花開きそうな頃になった 。
今まであなたを忘れた事なんて一瞬たりともなかった 。
まだ何処かで出会えるんじゃないか 、
その希望を捨てていなかったから 。
「 珍し … 手紙なんて … 、 」
郵便受けに入っていた手紙 。
よく見ると 、 そこには懐かしい字があった 。
“ みん・あなた ”
送り主は僕の愛する人からだった 。
開けると 、 中の紙にはあなたの字で書かれた文章が沢山あった 。
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日差しが気持ち良い季節になった 。
あれから私は施設で暮らしていた 。
今日はいつもより調子が良くて 、 シャオのことも思い出していた 。
だから思い切って 、 手紙を出すことにした 。
『 シャオ 、 会いたいよ 。』
『 あいしてるよ 、 』
無くすまいと外していた指輪をもう一度着けた 。
綺麗なシルバーの指輪 。
内側には私とシャオジュンの名前が彫ってある 。
それを太陽にかざせば 、 世界で一番輝く 。
昔の私達みたいにね 、
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僕は一週間後 、 手紙の封筒に書かれていた住所の場所に来ていた 。
あなたに会う為に 。
僕のことは忘れていたって構わない 、
あなたに会って 、 抱き締めれるものなら抱き締めたいし 、 愛してるよ 、 そう言いたい 。
だけど … あなたが忘れてしまっているのなら … 、 そんな覚悟もできていた 。
「 あなた … 」
僕の左手の薬指には輝く指輪 。
あなたと同じもの 、 あなたも着けてるのかな 。
到着したのは 、 海が近くにある施設だった 。
綺麗な場所で 、 気持ち良い海風が髪を揺らした 。
あなたは何処にいるんだろう 、
そう思い 、 中に入って受付の人に聞いた 。
[ 今日は少し調子がいいようです ㅎ ]
看護師さんに連れてこられたひとつの部屋 。
ベットにクローゼット 、 それに鏡台 。
鏡台の鏡には一枚の写真と小さな付箋 。
“ シャオジュン
私の旦那さん
世界で一番愛している忘れてはならない人 ”
今すぐあなたを抱き締めたくなった 。
忘れたくない 、 あなたがそう思うのが伝わったから 。
部屋に風が入ってきたと思えば 、
ベランダに人影が見えた 。
ひと目であなただと分かった 。
少し髪は伸びていて 、 さらさらと揺れていた 。
「 あなた … 」
『 …… 、 ? 』
あなたに近づいて隣に行くと 、
あなたに指輪を見せた 。
指輪の内側の 、 名前が掘られている部分を 。
少しでも思い出して欲しくて 。
『 綺麗な指輪ですね 、 ㅎ 』
『 凄く綺麗 … 、 』
「 でしょ 、 ㅎ( 泣 」
「 僕の大好きな人とお揃いなんだ 、 ㅎ( 泣 」
理由も分からない涙に逆らうことは出来なくて 、
あなたから顔を逸らし 、 海を見つめた 。
浮かぶ水平線が綺麗で 、
盗み見した君の横顔も綺麗だった 。
『 シャオ 、 ジュン … 』
『 シャオ … 、 』
『 シャオジュン 、 ッ( 泣 』
『 私の愛する 、 シャオジュンッ 、( 泣 』
「 会いたかったよ 、 あなた 。」
忘れてもいいよ 、 僕が代りに憶えているから 。
end .
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短編集とか言っておきながら
6話ってなんだよって感じですよね ((
終わり方とかも分かりにくかったらごめんなさい …
ごめんなさい :(
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!