めちゃ飛ばします^^;
あれから1週間が経ち 、 私達は何事もなく平和に過ごしていた 。
チソンアも今の生活に慣れたようだった 。
「 あなた 、 これ切る ? 」
『 うん !! 小さめにね ~ 』
今は2人で晩御飯を作っているところだった 。
狭いキッチンで2人で作業するのは大変だけど 、 それ以上に楽しかった 。
2人ですることに 、 意味を感じた 。
何故だか分からない 、 今日はあまりいい日じゃない気がする 。
こんな幸せな時に何考えてるんだろう 。
「 あなた ~ 上手く切れたよ !! ほら !! 」
『 …… !! 』
チソンアは不思議そうに 、 “ どうかした ? ”
そう私の顔を覗いた 。
チソンア 、 詰まらず話せるようになってる 、
会ったばかりの上手く話せていなかった頃とは打って変わって 、 安心しきった笑顔でスラスラ話していたチソン 。
『 チソンア 、 上手く話せてるよ 、 ッ 』
「 え ? 」
『 だから 、 っ !! 詰まらず話せてるの 、 !! 』
「 ほ 、 ほんとだっ … 、 」
そう言うと 、 チソンアは嬉しそうに私の手を取り 、 握り 、 指を絡めた 。
「 全部全部 、 あなたのおかげだよ 、 」
「 僕を助けてくれたあの日から 、 」
「 ずっと僕を助けてくれたね 、 」
目を細めて笑う彼の笑顔が眩しかった 。
ずっと見ていたかった 。
ずっとこのままでいいのに 、 ずっとこのままで …
そんな私の想いを嘲笑うかのように 、
一気に私たちをどん底に落とすことが起きた 。
( ピンポーン
不吉な予感 。私の勘よ 、 どうか外れていて 。
このインターホンが全ての始まりだった 。
だけど今は全て終わってしまいそうな気がした 。
この幸せな時が 。
『 はい … 」
[ どうも 、 警察の者ですが 。]
そう名乗る人の後ろには 、 あと5名ほどの人が立っていた 。
あぁ 、 辞めて 。
お願いだから 、
[ お宅に Lies が居るはずなんですが 、 ]
だめ 、 壊さないで 、
崩さないで 、
私達の時間を
[ 上がってもよろしいですか ? ]
全てが崩れる音がした 。
[ 行け 。 ]
男の人の合図で一斉に家に入り込む人達 。
駄目ッ 、 逃げてチソンア 、
貴方だけは っ 、
生きて欲しいの … 、
『 チソンア ッ !! 』
「 あなた 、 !? 」
「 この人たち 、 」
チソンアは何かを悟ったかのように 、
私を自分の後ろに隠した 。
その背中は大きかった 。
[ パク・チソン 、 お前を連行する ]
冷ややかな声で私たちの幸せな時間の終わりを告げる
「 着いて来て 、 !! 」
『 ちそッ … 、 』
腕を引っ張られ 、そのまま窓を開けてベランダへ出た。
今日は綺麗な満月 。
星も輝いて 、 私たちを照らして 、
最高の夜だった 。
[ 無駄な抵抗は辞めろ 。]
そんな声を無視して 、 チソンアは私に語り掛ける 。
「 あなた 、 今までありがとう 。」
「 僕は君を愛している 、 誰よりも 、 」
「 だから忘れないで 、 」
「 僕らはずっと一緒だ 。」
泣くな 、 泣くな私 。
少し早口で話すチソンの言葉を一語一句聞き逃さないように耳を澄まして聞いた 。
視界が歪んでチソンの姿もあやふや 。
愛してる 、 なんて初めてチソンアの口から聞いた 。
ふたりの時間 、 楽しかったね 、 幸せだったね 。
『 ずっと 、 一緒だね 、 』
『 来世も出会おう 。』
『 忘れないよ 、 離れても愛してる 』
私たちはマンションから飛び降りた 。
ここで捕まるなら 、 チソンアと二人で黄泉の国に行く方が良かった 。
たとえ地獄でも 、 チソンとなら何処へでも行ってやるって 、 ずっと一緒だって 、 そう腹を括った 。
落ちている最中 、 チソンが 愛してる と言うのを辞めなかった 。
私もそれに応えるかのように 、 チソンにキスをした 。
2人が初めて愛し合った証だった 。
『 夢みたいだね 、 ㅎ 』
「 夢であろうとも 、 あなたに出会えて幸せだよ 。」
例え貴方はロボットでも 、
貴方から温もりを感じ 、
寂しさを感じ 、
愛を感じ 、
心を感じた 。
ロボットなんかじゃないみたいだった 、
貴方は一つの心を持っていた 。
愛してる 、チソンア 。
さよなら 、 世界 。
さよなら 、 チソンア 。
end .
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!