第12話

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2021/10/12 12:00










🐙 「 … 、 ええよ 」


🐶 『 っ 、 え 』















予想外の返答に驚く僕は 、
少し嬉しさを感じつつも 、 終わってしまうんだと思っていた 。
ヒョンと繋がることで 、 ヒョンを愛そうとすることで自ら終わりに近づいて行っているのは分かってるし 、 承知の上だ 。

それでもヒョンを愛そうと思う 。
僕はそれが幸せだから 。























🐙 「 おいで 、 ジョンウや … 」


🐶 『 んッ 、 ぅ 、 ぁ っ … 』
















キスをすれば溶けそうで 、 顔を見るだけで体温が上がって 、 ヒョンが僕の上に跨がって後頭部に手を回して何回も 、 何回も 、 キスをした 。
















___ ゆたひょ 、 んッ … 、 ぁ … 、



___ ぁ 、 ジョンウや 、 っ



___ ひょん … あいしてる 、 ッ



___ ん … 、 ッ




















動けば動くほど額に汗が滲んで 、 ヒョンの湿った額に引っ付いた前髪を剥がしてあげて 、頬を撫でて 、 余裕の無さそうな顔は僕だけが知ってる顔 。

そう思えばまた嬉しくなって 。


















🐶 『 ゆたひょん 、 ごめんね 』


🐙 「 ( スースー 」












すーすー 、 と寝息をたてて寝るヒョンがとっても愛おしい 。
僕のものになる訳無い 、 今も 、 この先もずっと 。
だけど … だけど 、 っ












今だけは …… 、 っ






















🐶 『 …… 僕のものに 、 』












行為中 、 僕が 愛してる と言っても 、


ヒョンが返すことは無かった 。





これは完全に 、 僕に対する恋愛感情は無いってことを示してて 、 分かってて 、 でも …

















指先でヒョンの唇をなぞってからベットから起き上がり 、 窓側へ歩いた 。


外では星が輝き 、 少し欠けた月が夜を照らしていた 。

少し欠けた月は 、 僕の心みたいだ 。
ゆたひょんに抱かれた今 、 心から何かが欠けた 。




































愛ってなんだろうね 。



いや 、 愛がなんだっていうんだ 。

愛なんて 、 愛なんてあっても邪魔なだけなんだ 。

愛なんて 、 人を駄目にするだけなんだ 。











こうなったのは 、 ヒョンのせいだよ 。

ヒョンに心を掻き乱されたんだよ 、

責任取ってよ 、













なんて言えたらね 。


























































🍉 [ ゆたひょん 、 愛してます … ]

























また一人 、
愛する人を思って欠けた月を見る者がいた 。





















































end .














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