第14話

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2021/10/13 12:00










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遡ること20年前 、 私が5歳の頃 。
ある日 、 私が通っている幼稚園に新しい男の子が来た。



















「 ち 、 ちたぽんです … 、 」















私は特に気にしなかったけど 、
その子はとても美しかったのを覚えている 。
女の子にも負けないくらいの輝きだったから 。















その子が男の子に虐められていたのを知ったのは 、 その子が来てから1週間くらいしてから 。
虐められてるっていっても 、 からかわれて意地悪されて叩かれて 、 そんな子供じみたことだった 。
だけどその頃の私は許せなくて 、 放って置けなくて 。














『 辞めなよあんたたち !! 』


『 男の子の癖にだっさい !! 』




[ ぅ 、 うっせぇ ー ぞ !! ]















あいつらはどっか行って 、 私とチタポンは2人でブランコに腰かけた 。
まだ5歳だった癖にませたことしたなって 、
今になってそう思う 。
だけどそうしてなかったら 、 チタポンとは出会ってなかったね 。














「 あ 、 ありがとう 」


『 嫌なら自分で言いな 』













彼はブランコに乗ったまま俯いた 。
情けないな 、 そう思ったけどなんか可哀想で 。














『 あだ名付けてあげる 。』


「 あだ名 … ? 」


『 そう !! ん ー 、 そうだな … 』


















『 テン にしよう !! 』









そう 、 テンと名付けたのは私だった 。
理由は 、 私が最初に覚えた英語 。
ありきたりだけどチタポンは喜んだ 。
特に意味もない名前だけど 、 そんなのテンには関係なかったし 、 テンにとっては意味があるものだったから。


























「 あなたちゃん 、 僕あなたちゃん好き 」



『 ㅎㅎ 、 あなたも好き 、 』















「 あなたちゃんは僕の心を盗んだね ㅎ 」


「 だからね 、 僕がおっきくなったら 、



















あなたちゃんの心を盗みに行くね 、 」






























そういった彼は卒園してから姿を消した 。
それと同じように私の記憶から段々テンという存在は薄れて行った 。
あんなに濃かった日々が薄れて行くなんて 、
考えたこともなかったのに 。












盗みに来る 、 そう誓った彼は今私の目の前に居る 。
懐かしい 、 輝く笑顔を私に向けながら 。

ほんとに来たんだね 、 心の中ではずっと待ってたかもしれない 。貴方のことをずっと 。














「 今度は僕が盗む番だ 」


「 あなた 、 一緒に来てくれないかな 」















私の手を取り 、 膝をついたテン 。
イケメンになったね 、 とっても 。
いつの間にこんなに大きくなったの 、 ㅎ
迎えに来てくれてありがとう 。

























『 喜んで 、 何処までも 。』







































end .










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