第13話

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2021/09/19 23:30


恋(レン)
恋(レン)
全部ひっくるめて言うね。
病衣が、ふわっと膨らむ。
恋(レン)
恋(レン)
こんな、妹でごめん
恋の体が、後ろに倒れる。
地から、恋の足が離れ落下していく、

落下していく恋を目に、叫ぶ6人の兄。

そして、絶望する凛。
少しずつ潮の匂いが濃くなっていく。

あぁ、空ってこんなに綺麗でこんなに色付いてたんだ。
薄い青、水色。
恋(レン)
恋(レン)
やっぱ、綺麗じゃないや。

すると、空と反対の色が飛び込んできた。
おそ松
おそ松
恋ッ、!
崖からは、残りの兄が叫んでいた。
私よりガタイが良い兄は、私よりも落ちるのが早く

私の手を掴んで自分の方に引き寄せる。

おそ松
おそ松
もう、離さねぇからな、覚悟しろ


ギュッ、

体を包まれ私達は約100メートルの高さから海へ飛び込んだ。
痛々しい音がすると思えば、優しい水の音が耳に入る。
でも、優しい音に浸っている時間はなく泳げない私の体に大量の水が流れ込む。

視界がぼやけていく。
微かに見えるのは、太陽の強い光と赤いパーカー。
徐々に強くなる太陽の光を最後に私は、意識を手放した。

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