第3話
快晴
次の日の朝
看護師さんに起こされ、朝食をとった。
今日も空は相変わらず快晴。
夏の快晴、そして入道雲
いつからだろうか、なぜかこれらが大嫌いになってしまった。
看護師さんがカーテンを開けてくれたが、今すぐにでも閉めたい気分だ
そう思っていると、また頭が痛くなる
片手で頭を抱えているとコンコンとノックの音が聞こえ、はっと扉を見る
「 はいるわよ〜? 」
『 えっ、あ、はい! 』
私が返事をした途端、ガラガラガラと入ってきたのはお母さん。
「 調子はどう? 」
『 たまに頭が痛くなるくらい。
リハビリも上手くいってる 』
そう言うとお母さんはベットの側まできて、花が入ってない花瓶をとった
『 あれ、お母さんお花持ってきたの? 』
「 いいや、私じゃなくて伊ヶ崎くんからよ 」
お母さんが花瓶にいけたのは、ひまわりの花
昨日はそんなの持ってきてなかったのに‥‥
『 伊ヶ崎から‥‥‥。
あれ、そういえばいつ会ったの? 』
「 ‥‥さっきね、途中で会って渡してくれって言われたの 」
『 ふ〜ん‥‥‥自分で来いっての 』
私がそう言うと、なぜかお母さんが悲しそうに目を伏せた
「 ‥‥‥‥‥さぁ、お花もいけたことだしお母さんは行こうかな 」
『 え?!もう行くの?! 』
お花いけただけで帰るだなんて‥‥
ただでさえ一人で嫌なのに、
「 お母さんも仕事があってね‥‥
それに頭痛ひどいんでしょう?寝たほうがいいわよ 」
そう言われて、仕方なくベットに寝る
「 あ、それと‥‥最近夢みはどう? 」
お母さんが心配そうな顔をして聞いてきたのは、夢のこと
そもそも私が個人部屋に移動したのには理由があって、その理由が夢。
入院して何ヶ月たった頃か、悪夢を見るようになった
見るのはきまって同じ場面。
私がトラックにひかれるところ
それを見ていつもうなされてるから個人部屋に移してもらった
『 最近はあまり見てない‥‥ 』
「 そっか‥‥。
じゃぁお母さん行くね。少しは寝なさいよ? 」
『 はーい 』
私がそう返事したのを確認してお母さんは病室から出ていった
やることもないし、言われた通り寝てみよう
目を閉じると瞬く間に睡魔に襲われて、体がだんだんとベットに沈んでいく
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