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第15話

オマケ:大樹の記憶(文香編)
その大樹は人を繋ぎ、様々な役目を果たして来た
揺れる木の葉は人を落ち着かせ、大きく広げた枝は全てを包み込む様だった
文香、優希、雪。

この3人もまた大樹によって繋がった3人なのだ
彼らの初恋が芽生えたその瞬間も大樹が覚えていた
木漏れ日すらも暖かき大樹の記憶を辿り、あの甘酸っぱい幸せな瞬間を覗いて見ませんか?

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いつもの様に窓越しの光を浴びる
使用人
お嬢様、お薬のお時間です
綺月 文香
…うん
私は病気。
しかも前例が無いためずっと病院の先生の出すいろんな苦い薬を飲まされてる
いつもの様に苦いお薬を飲んだ。そのタイミングを計らうかの様に扉が開いた
文香…居るか?
綺月 文香
お父様…!
珍しいわざわざお父様が出向くなんて…
文香は…外に出てみたいか?
綺月 文香
…?
外には行ってみたい。
でも…病気の所為で外には出られないんだ。
ずっと言われ続けたこと

覆る事のない私の“当たり前”
文香、俺はもうお前がその病気に縛られる事は無いと思うんだ
大分回復しているらしい…俺はお前のする事を止めはしないぞ
少し寂しげに笑う父。


私はもう諦められたのだろうか…?
この病気は回復の兆しは無いのかな…
ならせめて、お外で遊びたいな
綺月 文香
お外に行っていいの…?
ああ…6時までには帰ってくるんだぞ
綺月 文香
うん…!



初めて外に出た。

全部が眩しかった。今まで部屋の中でしか受けた事ない風が私の全身を撫でた

図鑑でしか見たことない植物が私を出迎えた
吸い込まれる様に初めてみた大きな大樹に近づいて行った
本当に見惚れてた。

全てを包み込むような大樹の下で木漏れ日に身体を預けて眠る彼がとても綺麗に見えたんだ
儚咲 優希
ん…誰だ。お前
綺月 文香
えっと…綺月文香です
どうやら見すぎた様だ。
名も知らぬ彼は眠たそうに顔を上げた
儚咲 優希
俺は儚咲優希よろしくな
にしても見たことないな…
綺月 文香
私初めて外に出て、だからかな?
儚咲 優希
…それじゃあ、一緒に遊ぶか?
2人だからあんまり出来ないけど…
ん〜…かけっことか?
綺月 文香
かけっこ…?
儚咲 優希
スタートからゴールまでどっちが速いか競争するんだよ
綺月 文香
面白そう…!
やってみたい!
儚咲 優希
よし、それじゃあそこまで行くぞ
よーいドンッ!
初めて走った。
最初は頬に風を感じてすごく楽しかった

途中の息の苦しさは病気なんかとは違う心地よい苦しさ。
そしてゴールに行った時の達成感全部が初めてだった
綺月 文香
楽しかった…!
儚咲 優希
そっか、よかったな
俺も楽しかったよ!ありがとう
そう言って笑顔を見せる彼に、心臓が波打つ感覚はきっと弾んだ息のだけのせいじゃないはず…
人生ではじめての初恋だった

***
オマケです!
作者の気が持つ限り作ります!
それじゃあバイバイ!