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第8話

崩壊
今…何て…?
居ない…?あの子が…?
綺月 文香
ぁ…ぇ…
声もまともに出せずただただ絶望する
綺月 文香
嘘だ…あの子が…
如月 雪
ごめん…文香…
手に冷たい物が落ちる
見ると水滴が一つ二つ…
泣いているんだ…
胸が苦しい。なんで…そんな…
赤咲 優時
文香…
心配そうに私の背中を一定のリズムで撫でてくれる彼
ただ嗚咽を漏らすことしか出来ない私に雪は優しく語りかける
如月 雪
あの子…儚咲優希って言うんだけどね…
本当にあの火事でね…
やっぱり…そうなんだ…
これじゃあ知らずに淡い…ありもしない幻想を夢見ていた方が何倍も幸せだったよ…
綺月 文香
ごめん…ちょっと外出てくる…
逃げるように外へと出て行く
止めずにいてくれる優しさが胸に響き、また泣く
そっか…優希って言うんだ…
優希…優希…
走って乱れる息も、髪も全部どうでも良くなって…
どうしようも無くて…










如月 雪
文香…!!
身体が後ろに引き寄せられる
ハッとして前を見ると、目の前を大型のトラックが過ぎ去って行った
綺月 文香
ぁ…私…
如月 雪
…帰ろう?
綺月 文香
…うん
彼に手を引かれるまま家へと戻って行った

家の玄関で不意に抱きしめられる
綺月 文香
せ、つ…?
如月 雪
ねえ…文香ちゃん
如月 雪
僕だったら絶対に文香ちゃんを苦しめない。幸せにする
如月 雪
こんな時に言うのもおかしいけどさ…
如月 雪
ずっと大好きだったんだ…!
今すぐにとは言わないけど…俺…!
赤咲 優時
おい!雪!!
何やってんだよ
優時の声がすると共に離れる雪
姿を見なくても分かる威圧感
もの凄く怒ってる
赤咲 優時
今、あんな事があったのに…!!
胸ぐらを掴んで雪詰め寄る彼
いつ殴り合いに発展してもおかしくない程張り詰めた空気。
この状況に何も出来ない無力さを知る
如月 雪
どっかの誰かよりは酷い事してないけど?
赤咲 優時
…!
雪の発言に表情を曇らせる
思い詰めたような、悲しみを滲ませたそんな表情を
如月 桃華
文香ちゃん…こっち
手を引いて家の中に入れてくれる
その日は桃華さんの部屋に寝せてもらった
もう…やだよ…
擦って赤くなった目の縁がヒリヒリと痛む感覚を最後に私の意思は眠りへと落ちて行った

***
赤咲 優時
なんで…あんな事…
目の前にいる彼を睨む
だが相手は飄々とした口調で流す
如月 雪
僕だって傷心に漬け込む事したくなかったさ
でもね、好きな人が何年も目の前から消えて行った男を好きだって言って妬かない訳ないだろう?
如月 雪
俺は本気だ
真っ直ぐにこちらを見据える目が心に訴えかけてくる
でもここで引けを取るわけにはいかない
赤咲 優時
だからって…!!
如月 雪
俺は…僕は伝えたから
おやすみ。優
寂しげで今にも崩れそうな表情を残して雪は去って行った
文香は…一体今何を想って…願っているのだろうか…











俺は…文香を…