第26話

伝われ
2,628
2021/05/05 08:02
東峰旭
東峰旭
え〜っ、と?


何でまた俺のところに来てるんだ、?
あなた
あなた
……
あなたちゃん、?だよね。


何だかすごく申し訳なさそうにしてる




……あぁこの2人がいるからか。
東峰旭
東峰旭
何で俺にこだわるんだ?
日向翔陽
日向翔陽
!旭さんがいないと2.3年生が
元気ないからです!!

すごい正直だな。。
東峰旭
東峰旭
俺は...
散々ブロックに捕まって、もうそれをぶち抜くイメージが湧かないんだ。


何度も何度も

打っては捕まり、西谷も粘って拾って、



そしてわかんなくなった。




何でブロックに捕まる俺にトスを上げるんだ

何で俺のために粘って拾うんだ。



そう思ってしまった。



何で、なんてそんなの決まってる。


"勝ちたいから"


でも勝利を信じて一生懸命だったアイツらを裏切った。


あの時の西谷のムキになって反論する姿が忘れられない。

当たり前だ。



「俺はリベロだ!!守備の要でチームの要だ!!けど!!...俺に点は稼げない」


西谷にできることはただひたすらに


"繋ぐ"こと


でも点は稼げない。


それが一番できるのは俺だった。

少なくともエースの肩書きがあるから。


自分がやるべき事をやって、
自分が出来ないことを諦められたんだ。


もう俺は……

西谷も他のみんなにも、


合わせる顔がねぇんだよ。。
日向翔陽
日向翔陽
コイツ
影山がいればブロックもかわせます!
日向翔陽
日向翔陽
あのスパイクの手に当たる感触、
大好きです!


あぁそれも

知ってる


キーンコーンカーンコーン



日向翔陽
日向翔陽
うぁやべっ
影山飛雄
影山飛雄
……あの
??
影山飛雄
影山飛雄
1人で勝てないの、当たり前です。
まぁ俺も最近気づいたんですけど...


1人じゃない...か
あなた
あなた
あの……
東峰旭
東峰旭
ん?もうすぐ授業だよ?


初めてあなたちゃんが口を開いた。
あなた
あなた
大丈夫です!まだあと10分あるので


そっか、うちの学校
予鈴10分前じゃん...
あなた
あなた
私、、旭さんも西谷先輩の気持ちも
よく分かるんです、


何も、、


1年生なのに分かるはずが____
東峰旭
東峰旭

そう言ったあなたちゃんの顔は
真っ直ぐで、どこか悲しくて、
俺の心を見透かしているようだった。


あまりにも真っ直ぐで綺麗すぎて
目を逸らしたかったけど、


なぜか出来なかった
あなた
あなた
あ、ぁのごめんなさい!
嫌ですよね!1年生なのに軽々しく
気持ちが分かる。なんて……


さっき一瞬でもそう思ったから

すごくビックリした。


……この子はエスパーか?
あなた
あなた
でも、、本当に分かるんです、
同情じゃない。理由は言えないけど
...ごめんなさい意味わかんないですよね
東峰旭
東峰旭
ううん。信じるよ。
あなた
あなた


ただの俺の勘だけど、
きっとこの子は自分と他人を重ね合わせてしまうぐらい辛い経験をしたのかもしれない。

だってあまりにもその目が悲しいから。
あなた
あなた
……誰も、旭さんのこと責めてません、
旭さんも西谷先輩と衝突して言った言葉、あれ本音じゃないですよね??
!!

そうあれは、怒り任せで言ってしまった


何で、、分かったんだ?
あなた
あなた
旭さんの話を聞いてた時、私旭さんってすごい優しい人なんだろうなって思いました
あなた
あなた
会ったらなおさら思いましたよ。
……私達が極力傷つかないように一つ一つ言葉を選んで言ってた。。

……!
あなた
あなた
でも、、間違った方向に優しさを使わないで欲しいです。、西谷先輩は旭さんの言葉に反論しました
あなた
あなた
でも、、ちゃんと分かってますよ。
旭さんはそんな事言わないって。
だからこそ今もみんなの為に、旭さんの為に練習を重ねていったんです。部活できない間も
何でそこまで、、、
あなた
あなた
"顔向けできない"もうそんな理由要らないって分かりますよね??



分かってる……


でも俺の中の罪悪感みたいなものが
ぐるぐる渦巻いて嫌なんだ。


また仲間を傷つけそうで。
あなた
あなた
旭さん……難しく考えすぎです。
あなたが戻ってくる理由なんて"バレーが好き"ただこれだけでいいんです
あなた
あなた
だって旭さんも分かってますよね?
皆バレー馬鹿だから笑



何であなたちゃんは


俺の気持ちも、みんなの気持ちも
分かるんだ。


こんな俺にもあなたちゃんこそ言葉を選んで言ってくれている。





おれ見た目イカついのに普通に話してくれるし、俺のために伝えようとしてくれる。



……苦しかった。



でも気持ちに気づいてくれた人がいて

すごく、嬉しかった。
あなた
あなた
あ、じゃあそろそろ...
最後に___
あなた
あなた
"いつでも"待ってます。
みんなも、...私も。


そう言ってあなたちゃんは
行ってしまった。










すごく不思議な子だったなぁ。






俺は何だかあなたちゃんの目を見てから変な錯覚に陥った感じがした。


嘘が付けないってゆーか、、



でも何であんなに悲しい目をするのか
分からない……







なんで俺は会って間もない1年生を
こんなに考えてるんだ。





俺はバレー部とあなたちゃんのことで
なんだかモヤモヤしながら席に着いた

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