何でまた俺のところに来てるんだ、?
あなたちゃん、?だよね。
何だかすごく申し訳なさそうにしてる
……あぁこの2人がいるからか。
すごい正直だな。。
何度も何度も
打っては捕まり、西谷も粘って拾って、
そしてわかんなくなった。
何でブロックに捕まる俺にトスを上げるんだ
何で俺のために粘って拾うんだ。
そう思ってしまった。
何で、なんてそんなの決まってる。
"勝ちたいから"
でも勝利を信じて一生懸命だったアイツらを裏切った。
あの時の西谷のムキになって反論する姿が忘れられない。
当たり前だ。
「俺はリベロだ!!守備の要でチームの要だ!!けど!!...俺に点は稼げない」
西谷にできることはただひたすらに
"繋ぐ"こと
でも点は稼げない。
それが一番できるのは俺だった。
少なくともエースの肩書きがあるから。
自分がやるべき事をやって、
自分が出来ないことを諦められたんだ。
もう俺は……
西谷も他のみんなにも、
合わせる顔がねぇんだよ。。
あぁそれも
知ってる
キーンコーンカーンコーン
??
1人じゃない...か
初めてあなたちゃんが口を開いた。
そっか、うちの学校
予鈴10分前じゃん...
何も、、
1年生なのに分かるはずが____
そう言ったあなたちゃんの顔は
真っ直ぐで、どこか悲しくて、
俺の心を見透かしているようだった。
あまりにも真っ直ぐで綺麗すぎて
目を逸らしたかったけど、
なぜか出来なかった
さっき一瞬でもそう思ったから
すごくビックリした。
……この子はエスパーか?
ただの俺の勘だけど、
きっとこの子は自分と他人を重ね合わせてしまうぐらい辛い経験をしたのかもしれない。
だってあまりにもその目が悲しいから。
!!
そうあれは、怒り任せで言ってしまった
何で、、分かったんだ?
……!
何でそこまで、、、
分かってる……
でも俺の中の罪悪感みたいなものが
ぐるぐる渦巻いて嫌なんだ。
また仲間を傷つけそうで。
何であなたちゃんは
俺の気持ちも、みんなの気持ちも
分かるんだ。
こんな俺にもあなたちゃんこそ言葉を選んで言ってくれている。
おれ見た目イカついのに普通に話してくれるし、俺のために伝えようとしてくれる。
……苦しかった。
でも気持ちに気づいてくれた人がいて
すごく、嬉しかった。
そう言ってあなたちゃんは
行ってしまった。
すごく不思議な子だったなぁ。
俺は何だかあなたちゃんの目を見てから変な錯覚に陥った感じがした。
嘘が付けないってゆーか、、
でも何であんなに悲しい目をするのか
分からない……
なんで俺は会って間もない1年生を
こんなに考えてるんだ。
俺はバレー部とあなたちゃんのことで
なんだかモヤモヤしながら席に着いた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。