テクテクテク
本当は……用事なんて何も無い。
ただ1人になりたくて。
自分がマネージャーに、
バレーにまた関わることに
不安がまだ残ってて、
思い出したくないことばかり
思い出しちゃって、
さっきもまたサラッと嘘ついちゃったし、
誰も気づかないし……。、
まぁ気づくわけないよね……。
ヤバい。
また泣けてきた……。
前も毎日のように泣いて帰ってたなあ。
チャリを踏み込んでその風でいつも
涙を振り払ってた。
本当に私にマネージャーが
つとまるのだろうか。
不安で、不安で、不安で、
泣くな。泣くな。
そう思うほど涙が出てくる。
その時__________
?)大丈夫すか?
どこかで聞いたことある声に
引き止められた。
あの人は……
?)い、いえ。。……なんかあったんすか?
そう言えば今の私の顔は泣いて顔が
ぐちゃぐちゃだと思い出した
?)……無理しなくていいんすよ。
・・・・
この前も本当は泣いてたんですよね?
嘘……。なんで分かったの??
翔陽でも嘘に気づくのは早かったけど、
私の嘘を見破る人はなかなかいないし、
ましてやこの人は他人なのに……
どうせ泣いてる理由を聞いたって
あなたには分からないから、
伝わらないなら
最初から伝えなくていいから。
?)人が辛そうに泣いてるのに
気にしないわけがないじゃないですか。
?)あなた、烏野高校...ですよね?
?)最近あったばかりで嫌かもしれない
けど……、俺に話してみませんか?
初めて言われた。
「話を聞く」
そう言ってくれる子は今まで何人かいた。
けど「気にしないで!」って言うと、
いつもみんなそのまま私をほったらかすんだ。
ていうかまず人前で泣くのを我慢してたから
泣き顔を見られたのが高校はいって初だな。
?)あ!言ってませんでしたね!
俺は_______________
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。