?)……やっぱり
グイッと引っ張られて、強制的に振り向かされた時にはもう遅かった。
きっと今の私の顔は
涙をこらえて顔が赤くなってるだろう。
しかも何で______
西谷先輩に見られるわけ、?
絶対さ、他の人だったら
こんなまずい状態見られて、こんなに平然と笑いながら嘘つけないよね?
でも私は、出来ちゃうんだなぁ。。
今までこんな感じのまずい時、
とっさの嘘でバレたことがない。
だからこれも_____
ほーら、気づかない__
……え、どうして、?
あ、まずい
本当のこと言い当てられて泣きそう。
でも
隠し通したいよ。、
西谷先輩だし、
あの時、話を聞いてもらった時の
真っ直ぐな目。
でも今はずっと見てると泣く。
絶対に泣く。
見られない……
そう思ったらすぐ西谷先輩の目から
逸らした
やめて...
・
西谷先輩の目は見れないけど
西谷先輩の声が低い、
少し、いやかなり怒ってるような声
もっと見れないよ……
"怖い"……!
私はとにかく泣くのを死ぬ気で堪えるのに必死で、、
西谷先輩が少し怖くて、、
見れるわけないじゃん___
ギュム
グイッ
西谷先輩が両手で私の顔を包んで
自分の目に強制的に合わせた。
待って、ヤバい……
やめて、
嫌だ……!
プツンッ
何かが切れる音がして、
もう我慢できなくて、
涙がボロボロ出た。
視界が霞んで瞬きすると
もっと涙が出てきた。
泣くようなことじゃないじゃん、
何で私泣いてんの?
人前で泣いたって誰も助けてくれないよ?
情けないよ?
何にもならないよ??
今すぐこの涙を止めろ、
そう思ったのに、
止まらなかった。
そして未だに目を合わせてくる西谷先輩を見てると、本当に号泣した。
そうだ。
西谷先輩はそんな人だ。
何で、今までの人達と同じにしてたんだ。
でも、今までそうだったから
慣れるわけが無い。
簡単にそんなこと出来ないんだよ。。
グイッ
私は腕を引っ張られて、
そのまま西谷先輩に包み込まれた
……あったかい。
何でこの人は私の嘘をすぐ気づくことが出来るんだろう。
たまに真っ直ぐで揺らいでないその目を見ると、
怖くて、悲しくて、泣きそうになる
けどやっぱり優しくてあたたかい目だ。
ちょっとずつでも、
信じていいんですよね、?
もう溜め込まなくていいんですよね?
今だけ、弱い自分で居させてください……
?)何してるんですか……?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。