第49話

俺の女……?
2,338
2021/06/19 13:59
黒尾side




あなた、1人で大丈夫かよ……





俺も行くって言ったのにあなたは走って行ってしまった。

……逃げたな。




女の子なんだから一緒に行くって言ったのに...



あなたは可愛いから心配になる。





黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
やっくん。やっぱ俺あなた追いかけて行くから部活よろしくね〜
夜久衛輔
夜久衛輔
おう!分かった!



おてんばなお嬢さんの所に早く行かないとね



▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃▹◃┄▸◂┄▹◃



きっとここらへん……だよな?


どこにいるんだか……ってあれ?


あなたじゃないか?











黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
え_____








そこで俺が目にした光景は







微かに震えているあなたと


その腕を掴んで連れていこうとする男2人。





黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
クソっ……!



俺はすぐに走った。


そして言った。





黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
・・・
俺の女に何してんの?
あなた
あなた
黒尾さん……



その気持ちわりぃ腕をさっさと離して欲しい。





あなた
あなた
たす、けて
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
!!


あなたの声は今までで聞いたことないぐらい

弱々しくて、震えてて、





あぁ。俺、

なんでもっと早く来れなかったんだろう。







俺はあなたの腕を引っ張って


強引に男達から引き離した。




引っ張った反動でポスッと俺の肩に顔が埋まるあなた



小さく縮こまってて相当怖かったんだなって思った。




許せねぇ。




出来ることなら1発コイツらぶん殴りたい所だったが騒ぎになると面倒だ。






だから俺は自分でもビックリするぐらいの低い声で



黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
もう二度と近づくんじゃねぇ。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
とっとと失せろギロッ



そう言い放つと男たちはスタコラと逃げてしまった。




黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ふぅ〜……大丈夫かあなた___



するとペタンっと座り込むあなた。





黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
おい、大丈夫か!?
あなた
あなた
ご、ごめんなさい黒尾さん...
足に力が入らなくて……
あなた
あなた
大丈夫です!
早く立つので少し待ってて下さいニコッ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
っ、



なんで笑うんだよ……



無理してんのバレバレなんだよ。





そんなに震えてて足に力入らないぐらい
怖い思いしたくせに


強がんなよ。。





黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
お前な〜……無理してんのバレバレ。
あなた
あなた
!!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ほら。手もこんなに震えてるじゃん。
怖かったんでしょ?
あなた
あなた
……ごめんなさい、っ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
謝らなくていいから。ごめんな。早く来てやれなくて。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
もう大丈夫だからな!
あなた
あなた
ありがとう、ございます...!



でもまだ震えがとまらないあなた。




そりゃああんな男2人に腕掴まれたら
怖いに決まってる。














ギュッ













あなた
あなた
黒尾……さん?




俺は優しくあなたを抱きしめて、

頭をポンポン撫でた。






黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ん。よく頑張りました。
怖かったな。もう大丈夫だから。
あなた
あなた
〜……っ、グスッ
あなた
あなた
こわ、かった...
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
……うん。ごめん。
あなた
あなた
なん、で黒尾さんが謝るんですか。
てか離してもらってもいいですよ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
出来るわけないでしょ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
お嬢さんがこんなに震えているのに。
あなた
あなた
!!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
しばらくこうしてていいから。ね?




そう言うとさっきより涙をポロポロ流すあなた




俺はあなたが落ち着くまでずっと

抱きしめて頭を撫でてあげた。



▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃▹◃┄▸◂┄▹◃


あなたside



黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
落ち着いた?
あなた
あなた
……はい



黒尾さんが助けてくれた時


安心したのと怖かったので
足の力が抜けてしまった。



本当にダサい。





早く立ちたいのに震えて立てない。








でも黒尾さんが優しく抱きしめてくれたから。

暖かい言葉と体温で包み込んでくれたから



私の目から涙が沢山出てきた。



落ち着くまでずっと頭を撫でてくれた。





……泣きたく、無かったなぁ。
















黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
さて、そろそろ帰んないとやっくんに怒られちゃうよ〜。行こっか。
あなた
あなた
黒尾さん
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ん?
あなた
あなた
本当にありがとうございました...!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
……!いーえニコッ
お嬢さんに怪我なくて良かった
あなた
あなた
……前から思ってたんですけど、
お嬢さんって辞めてくれませんか...
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
え〜?なんでよ?



うわ、黒尾さん

ニヤニヤして完全に煽ってない?




あなた
あなた
さっきだって助けた時!____






…………ん?







ちょっと待って。





確か黒尾さん、私を助ける時……













黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
・・・
俺の女になにしてんの










そう確かに言った。













あなた
あなた
!?!?////////
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ん?なんで顔赤いの?
あなた
あなた
いやっ、なんでもないです...!!//




俺の女って!!!




いや、助ける為に言ったのは分かってるんだけど





私なんかに言うのはちょっと……






黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
(俺が助けた時?…………!?)
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
///////
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
(待って、俺何言ったんだ!?////)
あなた
あなた
(恥ずかしすぎて...)



((顔見れない……))





黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
……(ま、いっか。)



ギュッ
あなた
あなた
……へ?



え、待って待って待って


なんで手繋いでるの?




黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
あれ?お嬢さん照れてる?
あなた
あなた
んなっ!照れてなんか//!!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
はいはーい。行きますよ〜
あなた
あなた
離してくださいよ!?
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
さっき危ない目にあったのだ〜ぁれ?
あなた
あなた
ウグッ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
それを助けてくれたのは???
あなた
あなた
……黒尾さんデス
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ってことで拒否権なし!!
行くよ〜
あなた
あなた
はぁ……





ま、いっか。




別に手繋ぐだけだし。






助けてくれた時の黒尾さんの言葉は忘れよ。




あ、そうだ。





ギュッ



黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
!?//



私は黒尾さんの手を握り返した。






あなた
あなた
あれ?照れてるんですか??ニヤッ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ばっ、照れてねぇよ!!
あなた
あなた
ふーんニヤニヤ
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ニヤニヤすんのやめろ!!





へ〜


意外と黒尾さんっていじりがいありそうじゃん?





本当に照れてるか分からないけど

可愛いじゃん。








黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
(それは反則////)


【バッチリ照れてました☆】






あなた
あなた
ほら!明日やっと烏野と練習試合なんだから!早く帰って練習しないと!
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
ちょっ、引っ張るな!
あなた
あなた
じゃ、手離します?
(てか離してくれ...)
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
……やだ。
あなた
あなた
いや、なんでですか???







結局手は繋いだまま




音駒に帰ってきました☆








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