黒尾side
あなた、1人で大丈夫かよ……
俺も行くって言ったのにあなたは走って行ってしまった。
……逃げたな。
女の子なんだから一緒に行くって言ったのに...
あなたは可愛いから心配になる。
おてんばなお嬢さんの所に早く行かないとね
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きっとここらへん……だよな?
どこにいるんだか……ってあれ?
あなたじゃないか?
そこで俺が目にした光景は
微かに震えているあなたと
その腕を掴んで連れていこうとする男2人。
俺はすぐに走った。
そして言った。
その気持ちわりぃ腕をさっさと離して欲しい。
あなたの声は今までで聞いたことないぐらい
弱々しくて、震えてて、
あぁ。俺、
なんでもっと早く来れなかったんだろう。
俺はあなたの腕を引っ張って
強引に男達から引き離した。
引っ張った反動でポスッと俺の肩に顔が埋まるあなた
小さく縮こまってて相当怖かったんだなって思った。
許せねぇ。
出来ることなら1発コイツらぶん殴りたい所だったが騒ぎになると面倒だ。
だから俺は自分でもビックリするぐらいの低い声で
そう言い放つと男たちはスタコラと逃げてしまった。
するとペタンっと座り込むあなた。
なんで笑うんだよ……
無理してんのバレバレなんだよ。
そんなに震えてて足に力入らないぐらい
怖い思いしたくせに
強がんなよ。。
でもまだ震えがとまらないあなた。
そりゃああんな男2人に腕掴まれたら
怖いに決まってる。
ギュッ
俺は優しくあなたを抱きしめて、
頭をポンポン撫でた。
そう言うとさっきより涙をポロポロ流すあなた
俺はあなたが落ち着くまでずっと
抱きしめて頭を撫でてあげた。
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あなたside
黒尾さんが助けてくれた時
安心したのと怖かったので
足の力が抜けてしまった。
本当にダサい。
早く立ちたいのに震えて立てない。
でも黒尾さんが優しく抱きしめてくれたから。
暖かい言葉と体温で包み込んでくれたから
私の目から涙が沢山出てきた。
落ち着くまでずっと頭を撫でてくれた。
……泣きたく、無かったなぁ。
うわ、黒尾さん
ニヤニヤして完全に煽ってない?
…………ん?
ちょっと待って。
確か黒尾さん、私を助ける時……
そう確かに言った。
俺の女って!!!
いや、助ける為に言ったのは分かってるんだけど
私なんかに言うのはちょっと……
((顔見れない……))
ギュッ
え、待って待って待って
なんで手繋いでるの?
ま、いっか。
別に手繋ぐだけだし。
助けてくれた時の黒尾さんの言葉は忘れよ。
あ、そうだ。
ギュッ
私は黒尾さんの手を握り返した。
へ〜
意外と黒尾さんっていじりがいありそうじゃん?
本当に照れてるか分からないけど
可愛いじゃん。
【バッチリ照れてました☆】
結局手は繋いだまま
音駒に帰ってきました☆
____NEXT
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!