西谷side
俺は彼女の話を聞くために公園に来た。
すぐそこにあったベンチに座る。
きっと話しにくいんだろう。
そりゃそうだ。ついこの間知ったばかりだ。
まず話してくれるかどうかも分からない。
でも俺は……知りたいんだ。
ずっと下を向いてた彼女が表を上げて
俺を見た。
整った顔で丸くて大きな瞳で俺を見る。
あった時も可愛いと思ってたけど、
それ以上に可愛かった。
でも、悲しい目をしてる。
……俺が全部受け止めるから。
俺は彼女の目を真っ直ぐに見た。
話す覚悟が出来たのだろうか。
彼女は泣き出した。
……相当辛いことがあったのだろう。
もしかしたら今が辛いのかもしれない。
どっちにしろその辛さを無くしてあげたい。
そういえば彼女の名前を聞いてなかった...
蒼あなた.....
よし覚えた
ポンッ
俺はあなたちゃんの頭に手を置いて撫でた。
普段の俺なら絶対女子にしない事だ。
だから俺の心臓はバクバクいってるけど、
でも、、この子は絶対に人肌の温もりを
忘れている。
こんなにも味方でいる人間は温かいんだよ?
そう教えてあげたかったから。
そしてようやく口を開いたあなたちゃんは驚きの事実を言った。
!!!!
え、今なんて……!?
こんな偶然あるか???
そう言うとあなたちゃんも驚いた
反応を見せた。
!?!?!?
大地さん!?
そんなカッコイイ名前
俺に着けて……
おっといけないいけない。
別の話題に行くとこだったぜ...
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全て話を聞き終えた俺は唖然としてしまった。
そんな俺に構わずあなたちゃんは言う。
考えるより体が動く方が先だった。
俺はあなたちゃんの言葉を塞ぐように
抱きしめた。
本当に俺らしくない。。
でも、、あなたちゃんにそんな顔
してほしくねぇよ。。
俺よりそんなちっこい体で、
なんつーデカいこと抱えてんだ。
きっと俺が想像してるよりもずっと
辛かったはずだ。
それを隠して笑う日々をずっとしてきた
あなたちゃんはどんな気持ちだったんだろう
考えただけでも胸が痛い。
・・
俺が守ってあげたい。
他の誰でもない俺が。
あなたちゃんの悲しみから
救ってあげたいんだ。
このまま悲しみであなたちゃんがいなくなってしまいそうで、
俺はさらに抱きしめる力を強めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。