今日は部活が早めに終わったから
まだ夕方。
私は西谷さんと公園に来た。
……何でこんな事になった?
2人でベンチに座る
ど、どうしよう...
公園まで来ちゃったし、いやでも、
知り合ったばっかだよ!?
翔陽にもまだ話してないし
話す気ないのに……
気まずくて顔を下に向けてたけど
やっと顔を上げて西谷さんを見た。
西谷さんの目は
真っ直ぐ私を捉えてて
いや、
・・・
私の目を捉えてて
「この人には嘘は通じないかもしれない」
直感的にそう思った。
それと同時にさっきまで泣いてた理由を
どうやって嘘つこうか考えてた自分が
何だか恥ずかしくなった。
だってこんなにも真っ直ぐ、
知り合って間もない私に真剣に話を
聞こうとしてるんだから...。
そうやって西谷さんは
真っ直ぐだけど、とても優しい目で
私を見た。
何でこんなに知り合って間もない私に
優しくしてくれるの、???
ポンッ
西谷さんは私の名前を呼ぶと
私の頭に手を置いた
なぜだろう。本当に全部話せそうな
気がした。
そう言うと西谷さんは
すごく驚いたような反応をした。
西谷さんも!!?
もしかして……この前澤村さんが
言ってた人って……!!
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そう言いながらも西谷さんは
すごく嬉しそうだった。
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私は今まで自分が体験してきた
バレー人生と、
今の自分のことを話した。
けいくん以外で初めて全て話した。
いや、実はけいくんにも
・・・・・・・
話してないことがある。
西谷さんにはそれを言ってしまった。
途中何度も言うか迷った。
でもその度に西谷さんは私の目を
真っ直ぐ見るものだから
嘘がつけなかった。
私の話を全て聞き終わった西谷さんは
何だか呆気に取られていた。
もう帰りますね。
そう言おうと思った瞬間
ギュッ
全身にあたたかな温もりを感じた。
あまりにも突然すぎることに頭が回らなかったが、
私は今、、
西谷さんに抱きしめられてる。
私の頭に手を置いて引き寄せて、
優しく抱きしめてる。
状況を理解した私はものすごく
恥ずかしくなった。
幸いにも人がいないことが救いだった。
何で西谷さんは私を抱きしめているの、!?
……でももう少しだけ。
そう思うのはなんでだろう。
初めて感じた人の温もりに、優しさに、
私は嬉しくてまた涙が出てきた。
私今日、、、
泣いてばかりだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。