第15話

真っ直ぐな眼差し
3,234
2021/04/25 02:43
今日は部活が早めに終わったから
まだ夕方。

私は西谷さんと公園に来た。


……何でこんな事になった?



2人でベンチに座る






西谷夕
西谷夕
……で?何があったんだ??
あなた
あなた
……
ど、どうしよう...

公園まで来ちゃったし、いやでも、
知り合ったばっかだよ!?

翔陽にもまだ話してないし
話す気ないのに……
西谷夕
西谷夕
……話しにくいよな。
知り合ったばっかなのに。
でもこの前も泣いてたのにこのまま
ほっとけねぇんだよ。。
あなた
あなた
…………
_____!!
気まずくて顔を下に向けてたけど
やっと顔を上げて西谷さんを見た。


西谷さんの目は




真っ直ぐ私を捉えてて


いや、

・・・
私の目を捉えてて


「この人には嘘は通じないかもしれない」


直感的にそう思った。



それと同時にさっきまで泣いてた理由を
どうやって嘘つこうか考えてた自分が
何だか恥ずかしくなった。

だってこんなにも真っ直ぐ、
知り合って間もない私に真剣に話を
聞こうとしてるんだから...。
あなた
あなた
……話します、
長くなりますよ、?
西谷夕
西谷夕
おう、ゆっくりでいいから。
そうやって西谷さんは
真っ直ぐだけど、とても優しい目で
私を見た。


何でこんなに知り合って間もない私に
優しくしてくれるの、???
あなた
あなた
〜っ、グスッ
西谷夕
西谷夕
(そんなに辛いことがあったのか、?)
そういえば俺だけ名前言って、
名前聞いてなかったな...。
あなた
あなた
あなた...。蒼あなたですグスッ
西谷夕
西谷夕
(蒼あなた……)
あなたちゃん
 
ポンッ




西谷さんは私の名前を呼ぶと
私の頭に手を置いた
西谷夕
西谷夕
……いくらでも聞くから。



なぜだろう。本当に全部話せそうな
気がした。
あなた
あなた
私は最近男子バレー部の
マネージャーになったんですよ...
西谷夕
西谷夕
!!!!
そう言うと西谷さんは
すごく驚いたような反応をした。
西谷夕
西谷夕
あなたちゃん……
俺実は男子バレー部に入ってんだよ。
あなた
あなた
え!!??
西谷さんも!!?


もしかして……この前澤村さんが
言ってた人って……!!


▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃▹◃┄▸◂┄▹◃


澤村大地
澤村大地
もうすぐで部活禁止がとけて
帰ってくるやつがいるんだよ。



_____烏野の守護神。
あなた
あなた
(守護神!?そんなに上手いの?)
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃▹◃┄▸◂┄▹◃
西谷夕
西谷夕
俺、1ヶ月部活禁止にされて、
明日部活行くんだけど...
あなた
あなた
澤村さんが……西谷さんのこと
"守護神"って言ってました!
西谷夕
西谷夕
ふぇ、、!?本当か!?
だ、大地さんめぇぇぇ
そう言いながらも西谷さんは
すごく嬉しそうだった。
西谷夕
西谷夕
……で?あなたちゃんは
何に悩んでるんだ?
あなた
あなた
私は_______
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃▹◃┄▸◂┄▹◃




私は今まで自分が体験してきた
バレー人生と、


今の自分のことを話した。



けいくん以外で初めて全て話した。


いや、実はけいくんにも
・・・・・・・
話してないことがある。


西谷さんにはそれを言ってしまった。


途中何度も言うか迷った。

でもその度に西谷さんは私の目を
真っ直ぐ見るものだから

嘘がつけなかった。
あなた
あなた
……私の話は終わりです。。
西谷夕
西谷夕
………………
私の話を全て聞き終わった西谷さんは
何だか呆気に取られていた。
あなた
あなた
グスッダメですよね...。自分はこのまま弱いままじゃダメだって、分かってるんです。グスッ
あなた
あなた
でも、何も変われない自分に、
頑張れない自分に吐き気がする...
あなた
あなた
……話を聞いてくれて
ありがとうございました。

でも、忘れてくれても
構いません。だから___



もう帰りますね。




そう言おうと思った瞬間



















ギュッ










全身にあたたかな温もりを感じた。









あまりにも突然すぎることに頭が回らなかったが、





私は今、、
西谷さんに抱きしめられてる。



私の頭に手を置いて引き寄せて、
優しく抱きしめてる。
あなた
あなた
に、ににに西谷さん!?/////
状況を理解した私はものすごく
恥ずかしくなった。

幸いにも人がいないことが救いだった。




何で西谷さんは私を抱きしめているの、!?







……でももう少しだけ。





そう思うのはなんでだろう。



初めて感じた人の温もりに、優しさに、
私は嬉しくてまた涙が出てきた。




私今日、、、


泣いてばかりだ。

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