第79話

78話
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2022/09/25 12:34



" 本日は足場の悪い中お越しくださり………"



そんなアナウンスが流れていた。




葬式場、こんなに早く来るなんて思ってもいなかったな。




春千夜くんと一緒に肩を並べて何か話すわけでもなくただ立ち尽くしていた。





心の整理整頓が今じゃ、なんにも機能しないほどにはこの件は衝撃的だったの。





だって、ついこの前までは____ .





" おう!あなたか "






そういって笑いかけてくれていたじゃないか ___ .





そんな場地がいるのは、箱の中で。




安らかに眠った彼の顔は見慣れるものじゃなかった。




春千夜くんも、あんなに一緒に連れ添ってきた仲間を………ただまっすぐ目を背けることもなく見つめていた。




涙を流すこともなく。





周りにいる、鬼のような形相の人たちも大粒の涙を流して震えていたのに、私の隣にいる彼は泣いていなかった。





場地のお母さん、泣いてたな。
あんなに男勝りだった性格の あの人 が泣いたんだ。





私は、もう帰らぬ人となった場地の顔を見て 人って簡単にこうして傍から離れていってしまうんだ。なんて思った。






家に帰宅して、それから少し無言で。
ただ垂れ流しになっているテレビの音がやけにその静けさを強調した。





『…春千夜くん』




『ご飯、、食べようか……なにが食べたい…?』



霞んだ声で言った。
春千夜くんはずっと真っ直ぐ窓の外を眺めていて。




そんな彼の背中をみて話した。




『…春千夜くん、、あのね…』




『私、、まだ実感なくて………あの時の場地の顔とかまだ鮮明に残っててそれでッ…』




言葉に詰まった。
だって、私は話せなかったの。





春千夜「ッ…」





唇を噛み締めながら涙を堪える彼の姿が見えてしまえば、私はそれ以上のことを言えなかった _____ .



next.



《つきちゃんから。》


新作、気づいていらっしゃるかたもいるかもですが……!






もし良ければ……😌




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