前の話
一覧へ
次の話

第34話

猫と稀血
1,229
2023/01/10 02:00

〜時透side〜

鈴音子は月を見たまま。
僕はそんな彼女をじっと見つめていた。

僕に気づいたのかチラッと目と目があった。

鈴音子(スズネコ)
鈴音子(スズネコ)
ふふ…にゃんですか〜?
時透無一郎
!!//


ドキッと胸が鳴った。


今宵は黄色い月だったけど、綺麗な黒髪がその光を反射して、彼女の髪やら何までが光って見えた。

僕はふいっとそっぽを向いて、なんでもないと言った。




顔が熱くなるのがわかる。

鈴音子(スズネコ)
鈴音子(スズネコ)
……本当はさっき、お館様からミーの血が稀血だって聞いたんです。
時透無一郎
…そうだったんだ


彼女は少し暗い顔をしていった。

稀血は人間の中でも稀に生まれる、鬼にとって血がとても美味しい人らしい。

確か風柱の不死川さんも稀血だった気がする。




稀血は鬼に襲われやすい。
そのため、犠牲者も多いんだ。

彼女から少し、悲しそうな匂いがした。

プリ小説オーディオドラマ