プリ小説

第9話

向き合う心
部屋へと戻って来た。


でも、俺はまだ彼女の手を離せずにいた。
涼ちゃん。とにかく拭かなきゃ…風邪ひいちゃうから…
彼女はタオルを取りに洗面所へ行こうとする。

それでもまだ、その手を強く強く握りしめたまま、離せずにいた。
じゃ、一緒に取りに行く?いっそのことお風呂入ろっか?冷えちゃったし
涼介
うん…入る。でも葵も一緒がいい
そうだね。私もすっかり冷えちゃった(笑)
さっきみたいに、また冷たく断られるかと思った…。


でも、葵は笑顔だ。


いつものあの笑顔。


どうなってるの?


白い湯気が立ち込める浴槽に、二人で向かい合って入る。

すると、彼女がうつむきながら、小さな声でポツリポツリ話し始めた。
涼ちゃん…さっきは、ごめんね。いっぱい泣いちゃった?
涼介
んー…見ての通りだけど。
葵が話すたびに、またさっきの話を始めるんじゃないかとドキドキしていた。
涼ちゃんはさ、何で私なの?選び放題のキラキラアイドルだし、私は涼ちゃんより10も年上だよ?
涼介
歳は関係ないよ。俺が会いたいと思ったり、触れたいと思ったり、自分だけのモノにしたいと思えるのは葵だけだよ。それだけじゃダメなの?
理由にならない?
俺の言葉に、葵はうつむき涙を流した。

それは、俺が初めて見る葵の涙だった。

いつも俺の前では泣かなかった。
涼介
葵はさ、俺のこと愛してない?それならはっき…
愛してるよ!!自分でもどうしようもないくらい。
でも…
涼介
でも何?愛しているなら何の問題もなくない?
俺を愛しているくせに、他のヤツと結婚すの?
また、思い出して涙で彼女が見えない
さっきの電話…あれ、佐々木くんからで…
涼介
アイツがなに?それ、俺らに関係あるの?
ある…。佐々木くんが言ってたの。今朝の人、Jumpの山田涼介ですよねって。妹さんがファンなんだって。だから確かめたかったって
涼介
で?
涼介の事が大好きな人は、たくさんいて。本当に涼介を支えに生きている人だって、中にはいると思う。
そんな人達から涼介を奪って独り占めしちゃダメなんじゃないかな…って。もし、スキャンダルになんてなったら…私自分が許せないよ
葵…。

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ショウジュン
ショウジュン
山田涼介くんのお話を書いています。