これは本当に思う
だって平安時代は今の時代から千年以上も前のことだ
それまでの間誰も選ばれし者じゃなくて
それが私なんて…
これは今日だけじゃない
ましてや、体育に関わらずだ
体育祭の時のリレーも任せられていつの間にか1位とってたし
定期テストやなんかもよく覚えてないのに返却の時は90~100点だ
,
そうだったのか
だからいつもいつも……
やっと全ての辻褄があった気がした
そういうことだったのだ
そう言うとおばあちゃんも離れていった
よし、準備はできてる
あとは呪文を唱えるだけ…
あははって笑ってるけど1番大事なことじゃん!
ついにうちのおばあちゃんもボケ始まってきたか…
でも今から辞めるわけに行かない
行かなければ
ふぅ、と一呼吸ついて
さっき言われたことを心の中で唱える
『お月様おねがいです。私を平安の世へ連れて行ってください。』
すると手のひらで持っていた石が
カタカタと震えながら眩い光を出した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!