第22話

第三章 いにしえのきおく⑴
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2021/04/11 13:57
色とりどりの光に、其処は包まれていた。

15人の男たちは、どこかを。
遥か先を見ているように見える。


壮大な歓声と共に流れた一筋の涙。
未来へと突き出したいくつもの拳。
今迄いままでの苦労と感謝のこもった雄叫び。


どれも決意だった。

明日からは輝く日々が待っている。




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2020年1月22日
それは彼らにとって大きな節目の日。

日本中に、世界中に、名が広まった、その日は。
本人たちは勿論、サポートする幾千の人々も、心からの歓喜で沸いていた。



2020年2月16日
それは彼らにとって夢が夢でなくなった日。

以前から口に出し、心に抱いていたその夢に手が届いたその日は。
誕生日ケーキの蝋燭を消した時のような、静かな高揚感があった。



2020年7月1日
それは彼らにとって大きな誓いの日。

沈んでいた日々が、光で満ち溢れた、その日は。
心からの9人の絆を新たに確認して。
仲間がいる意義を見つけた。



2020年10月7日
それは彼らにとって大きな躍進の日。

自分たちの可能性を広げようと、新しい境地へ足を踏み入れたその日は。
明日へと脚を伸ばすように、ふわりと浮く羽を掴むように、同朋の肩をとった。



2020年11月16日
それは彼らにとって本懐を遂げた日。

何年も何年も目標としてきたことが、目の前に迫ったその日は。
不思議な気持ちの中、真新しい純白に身を包み、決心した。



2020年12月24日
それは彼らにとって心残りの日。

猛威をふるう未知の存在に、何もかもを奪われたようなその日は。
彼らの気持ちは全く同じで、次こそはと契った2週間。



2021年1月20日
それは彼らにとって空へ駆けた日。

1年間の集大成をと、気持ちを新たに手を重ねたその日は。
ひとりじゃないって、最高だ。そう再確認するきっかけとなった。



2021年4月11日
それは大きな夢が動いた日。

沢山の笑顔と幸せを届け、夢の続きを描き始めたその日は。
ありふれた感情だけれど、少し違う、特別な何かを9人が感じた。





ありふれた感情だけれど、少し違う。
全ての道が開くような、そんな空気を9人が感じた。

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