第10話

第一章 デジャヴ⑷
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2021/04/03 12:08
目黒「5番テーブル、シャンパン入りましたー!」

店員「うぇーい!!」


ここは、夢の世界。
男と女の欲で溢れる世界。

2921年、技術が進歩した今でも、この仕事がなくなる事はなかった。


けがらわしいことはしない。俺は。

元々そういうのはあんま好きじゃないし。
好きでもない奴とは嫌だし。




客「えぇ〜蓮くんともっと遊びたい〜」

目黒「俺は疲れてる君を癒したいの、だからさ、また此処来てよ、ね?」

客「…うぅ…うん」




紡いだ言葉は、紛れも無い嘘で。
ただ店の売り上げだけを考える。

でも、そのお陰でNO.1なのかもしれないね。
まぁ、興味なんて無いけれど。




目黒「じゃあね、また来てよ?」

客「うん!蓮くんこそ、辞めないでねー」

目黒「……あぁ、」


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目黒「すみません、今日は上がらせて下さい」

店長「あぁ、いいけど。その代わり、次はもっと頼むよ?」

目黒「うっ、す」


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何も考えず、家に帰る。
ぼーっと歩いた道は、どこを通ったのか分からない。

靴を脱ぎ、部屋に足を踏み入れる。
テレビの電源を入れると騒がしい声が聞こえた。


       “今話題の芸人”
   “特徴的なツッコミがクセになる”
    “超明るいバイリンガル芸人”



目黒「そういえば、」

今日のお客さん話してたな、コイツのこと。




画面を見ずに呟けば、テレビの騒音が返ってきた。

目黒「どうせ一発屋だろ。」


そう、顔を上げた。




知らない顔。
知らない声。
知らない仕草。
知らない名前。


なのに。





心臓が、止まるかと思った。

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