マサイ、
少し身体がビクっとし全身に力が入った
肩を優しく、でもちょっと力強く掴まれた
ごめんな、
シルクの口から出てきたのは予想外の言葉だった
今まで無理させちまったよな…
泣くななんて…俺が悪かった。
本当にごめん。
俺、死ぬんだって思ったら‘‘Fischer's’’のことが真っ先に浮かんで俺がいなくなったらどうなるんだろって不安になったんだ。俺のせいで壊れてほしくなかった。壊したくなかった。
だから…あんなこと…。
みんなのこと考えてたはずなのにマサイの気持ち…全然理解しきれてなかった。マサイに甘えちまった。
つらい思い…したよな。
今更許してくれって言ったって手遅れなことはわかってる。でも、俺には謝ることしかできない。本当にごめん…
……
つらい時は泣いていい。悲しい時は泣いていい。寂しい時は泣いていい。
もう、自分だけで抱え込まないでみんなに頼ってくれ。
ここしばらく泣いてなかっただろうか…
勝手に流れてきて止まらない。
止めたくても自分の意思には逆らって
絶え間なく流れ続ける。
もう我慢しなくていい。
今日は…俺がいるから。
シルクに伝えたかったこと。
声にならない。声が出ない。
嗚咽混じりで泣いたのはいつ振りだろうか
もう会えないと思っていたシルクが
大好きな仲間が
姿は違くても今、ここに。
俺の目の前にいるんだ。
もっとシルクといたい。
喋りたい。
笑いたい。
シルクがいた頃に戻りたい。
もっともっと…出来たことはあったのに、
自分の無力さにうんざりする。
もっと…もっとシルクといたかった…
…
俺も…みんなといたかった。
…
俺ら、ずっと、シルクに頼ってばっかで…シルクがいなくなってから…俺らは…
お前らは、本当によく頑張ってた…
頑張ってくれてたよ。
みんなが頑張ってる姿…すっげぇ嬉しかった。俺がいなくてもFischer'sが成り立つのかなって考えるとちょっと寂しい気もするけどな。
だめ…無理、無理だよ…
シルクがいなかったら…俺らは、
俺はなんにもできないんだ…
シルクがいなきゃ、無理なんだよ、
大丈夫。
俺がいなくたってお前らなら大丈夫だ。
俺はお前らをよーく知ってる。
お前ら以上にな。
俺は信じてる。
マサイもンダホもモトキもぺけもダーマもザカオも。お前ら6人なら大丈夫。
1人じゃない。自分以外に5人もいるんだぜ?お前が困った時には絶対他の奴が助けてくれる。
それに、俺だってお前らを助ける。
もっと、自分を信じろ。
お前は自分が思ってる以上にすげぇってこと。お前ら6人はすげぇってこと。徐々にみんなの努力が認められ始めたんだ。今まで何度もでっけぇ壁にぶち当たったけどよ、何度も何度も乗り越えてきたじゃんか。そりゃ時間がかかったよ。でも時間をかけてみんなで乗り越えたからこそ今がある。今の俺たちがいる。
ここで諦めてどうすんだよ。ここで挫けんじゃねぇ。叶えてない夢、まだあるだろ。俺にもお前らにも。俺はもう叶えられない。だから俺の分までお前らに任せたからな。
苦しかったら泣いてもいい。
食いしばってもいい。
でも、どんなにつらくて苦しくて耐えられなくても果てしなく笑え。
そいつこそが一流だ。
俺はお前を、お前らを信じてる。
大丈夫だ。
…俺、頑張る。
シルクに負けないぐらい努力する。
おう。
それでこそ俺が大好きなマサイだ。
シルク、
俺と友達になってくれてありがとう。
仲間にしてくれて、ありがとう。
こちらこそ、
俺と友達になってくれてありがとう。
俺を好きになってくれてありがとな。
ずっとシルクと喋りたい…
…ごめんな、
もう、シルクと話せないの…?
…上からお前らのこと見てるよ。
もう、シルクとはお別れなの?
……あぁ、
嫌だ、嫌だ…シルク、行っちゃ嫌だ!
わりぃな、俺ももっとお前らといたい。
それにダーマとザカオとも話したかったな。
あいつらにも伝えといてくれ。
無理しすぎないように頑張れよって、
俺はずっと応援してるからなって。
あーぁ、俺やり残したことばっかだな笑
でも、後悔はしてない。
最高の人生だった。
大好きで、かけがえのない、自分よりも大切な仲間に囲まれて、笑って、馬鹿して、たまに怒られたり失敗したり、でもそれが最高に楽しくて幸せだった。生まれ変わってもこんなに幸せにはなれねぇだろうな、笑
俺がやり残しちまった分までお前らに楽しんでほしいし、夢、叶えてほしい。
そして、今まで以上に馬鹿してこい。
思いっ切りFischer'sを日本に、いや、
世界にぶちかましてやれ。
…うん、シルクが安心できるように、思いっ切りぶちかましてくる。
夢、叶えてくるよ。
俺も…シルク、ありがとう。
シルク、今までお疲れ様。
ゆっくり休んでね、
だほ、ぺけ、モトキ、ありがとな。
シルク、今、俺がこうやっていられるのも、自分が好きなことやっていられんのも全部シルクがいたから。どんな時もシルクが支えてくれた。たまにぶつかって喧嘩したりもしたけどそれも大切な思い出になった。
本当に、ありがとうございました!
…マサイ、ありがと。
俺もお前がいたから自分のやりたいことできるようになった。お前と友達になれて本当に、良かったよ。ありがとう。
…
じゃあ、みんな、
また、会える日が来たら…
そん時はよろしくな!
…シルク、またな!
また、いつか会おう。絶対に。
シルクに会えるの楽しみにしてるよ。
いつか絶対お前に会いに行くから待ってろ。
おう。みんな、大好きだったぜ。
最高の思い出をありがとな!
また、会う日まで…アデュー
アデュー
アデュー
アデュー
…アデュー!
これは永遠のお別れではない。
どれだけ先になるかわからない。
でも、またいつか俺ら7人が一緒になる日は来る。
また会う日まで
アデュー
いいねして作者を応援しましょう!
この小説を読んだ方は、こちらの小説も読んでいます
- ノンジャンル
あいつは何も知らない
Fischer'sでいたい
favorite 973grade 150update 2024/03/31 - ノンジャンル
小さな白雪姫
「この子を…守って欲しい。」 滝沢君から預かったのは… 『………………………』 家族に見捨てられた女の子でした
favorite 366,754grade 6,768update 2024/04/14 - 恋愛
ただ、貴方の背中だけを……
中学で観た兄の試合で、忘れられない人と出会った__。 振り向いてほしい。 悲しませたくない。 応えたい。 でもどうしようもなく、好き。 行き交う“好き”のキモチ。 貴女が最後に選ぶのは、変わらず彼……? それとも……。 甘酸っぱい、切ない、恋の行方____。 ✑☁︎︎序章編..2話~340話 ✑☁︎︎本編編..344話~764話 ✑☁︎︎最終章編..766話~ ・ ・ ・ ※落ち不明 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✁キリトリ✁ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんな事あらすじに書きたくないけど、パクリなどは絶対にやめてください。
favorite 570,454grade 15,962update 2024/04/17 - 恋愛
焦れったいリダ
リダの両片想い
favorite 1,993grade 223update 5日前 - 恋愛
F’s BL
F’s BL 更新遅めですッッ リクエストはゆっくり書くので気長にお待ちください!
favorite 5,759grade 849update 2024/04/01
コンテスト受賞作品
もっと見るONE N’ ONLYオーディオドラマ原案コラボコンテスト
公式TikTokの注目動画
もっと見るチャレンジ小説
もっと見る- ホラー
魔法少女スターターセット 𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡
「魔法少女スターターセットをあなただけに無料プレゼント!!」 とある日、こんなメールが届いた。 魔法少女?スターターセット??そんなものこの世に存在するわけがない。だって、魔法なんて誰にも使えないんだから。 ただのいたずらだと思っていたら、次の日の朝、スターターセットが届いていて…!? ※あまり、派手にはやらかしません(?)何かあれば💬まで。 表紙の箱が潰れているのは気にしないで下さい((
- ミステリー
最後の審判
同窓会をきっかけに、小学五年生の頃の記憶が蘇る。…記憶の中の自分達は、神と契約してこの地にとどまる怨霊を祓っていた。なぜ突然記憶が蘇ったのか。自分達には何ができるか。謎は、紐を解くように簡単ではないのである。 ミステリー、ホラー、コメディ、トラジティ。要素は様々。あなたはどう見る? 表紙、その他イラストは私 (チャプターの数を数えています) 第一章 6年越しのプロローグ 始発 一話 不穏な同窓会 二〜十五話 記憶共有 十六〜 黒い影編 十九話〜二十八話 ロンドン橋の少女編 三十一話〜
- ファンタジー
クリスマスに家に来たのはサンタの息子
その日はクリスマスイブ。キロ・マグリーはサンタがいると自分を騙しているのだと、親に怒鳴った。それを聞いた父は、息子にこっそり自分の九歳のクリスマスイブのことを話した。知らなかったサンタの家系の秘密。おもしろくて、ちょっと心温まるとあるクリスマスのお話。番外編まで見逃せない!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。