第10話

Make Love
68
2021/07/08 11:16





疲れてたから、ゆっくり独りで休みたかった。


碧のとこに行くと、また身体をなぶられる。

気持ちいいんだけど、イヤなわけじゃないんだけど、むしろ嬉しいし楽しいんだけど、すごく疲れちゃうから。

今日は1日中立ちっぱなしで足も痛かったから、アタシは、明日会う?っていうつもりでLINE入れたんだけど。

まさか、今すぐ来い、って言われるとは思わなかったよー。

断ろうって思ってたのに、泣いてる絵のスタンプが何個も来るから、ついほだされちゃった。
あーあ、ほんと碧に弱いアタシ。



碧って、こんなに、会いたい会いたいって言うタイプだったかな。
思いめぐらしても、前がどうだったか、なんて思い出せない。
ただもっと。
アッサリしてた気がする。


アタシの身体は、碧に触られるようになってから、胸も足の間も、その存在を主張するようになった。
碧に会ってない時でも、碧の手と舌が残ってる。
じゅわっとした感覚が、いつでも尖る刺激を待ってる感じ。

足の間が濡れたがってる。
足の間が、あんなに溶けてべたべたになるなんて知らなかったからびっくりした。
まるで蜂蜜みたい。
それより、自分の身体にあんなボタンが潜んでたなんて。

視線が周囲の女の人に向く。
あの人もこの人も、あんな小さなボタンを足の間に隠し持ってるんだ。
小さいのに、強烈な、全身を支配する快感のボタン。
人の身体ってなんて不思議なんだろう。



アタシは、碧の愛らしい姿を思い出してキュンとする。
同時に、両方の胸が刺激を待って疼いた。

もう10分後には、碧に会える。





玄関のドアが開くと、ほんとに嬉しそうに碧が笑ってた。
ドアを閉めるとすぐに、キスされる。
激しさはなくて、優しいキス。

碧はすぐにアタシから離れて、アタシを部屋の中に誘導する。
アタシは大きなバッグを下ろして、先にシャワー使いたいって言った。
仕事帰りで汗やほこり、煙草の臭いなんかで、気持ち悪い。

碧はにこにことバスタオルを渡してくれて、インスタントラーメンならあるけど食べる?って聞いてきたから、食べるって言う。
ジャンクなもの食べてるのね。


化粧落としてる間にラーメンを作ってくれた。
作った小鍋のまま、はいってテーブルに置かれたラーメンは、出前一丁。
ラー油も添えられてたけど、野菜も卵も何もない。
この雑なところが、なんだか可愛くて笑っちゃった。

アタシはお腹が空いてたから、美味しく食べて、いつも持ってるビタミンを飲んだ。



シャワーを浴びながら歯も磨く。
借りたバスタオルだけを巻いたまま出たら、ベッド横の小さいスタンドだけ点いて、部屋の照明が落ちてた。
一気に心拍数が上がる。
低く音楽が流れてる。
メロディーが綺麗な、スローバラード。


「菜花」


優しくアタシを呼ぶ声。
アタシに巻き付く碧の腕。


「来てくれてありがと。
無理させてゴメンね。
いつでもずっと会いたかったよ?」


顔中にキスしながら、甘くささやいてくるから、ドキドキする。

キスしながら、あっという間にバスタオルが開かれて、碧の小さな手がアタシの身体を撫でていく。
もちろん乳首も優しく撫でられた。
待ち望んだ刺激に、身体中が喜んでる。
アタシは切なくなって、碧を抱きしめる。


「みどり」


「菜花が呼んでくれる私の名前って可愛いよね、大好きになってきた」


「すごくきれいな名前だよー?」


「5月生まれだから」


「エメラルド?」


うん、ていいながら、アタシの身体を舐めていく。
手が柔らかく胸全体をまさぐって、頂だけを触ることがない。
いつもと少し違う触り方に、アタシの身体が焦れてきた。
今日は足の間にも、もぐっていかない。
両足をピッタリ閉じさせて顔を埋めてる。
唇を強く当てて吸い、舌を伸ばして、探ってる。
舌が目当ての粒に当たるから、その衝撃で身体が跳ねた。

合図だったみたいに、乳首に爪を立ててきた。
急な快感に声が出る。
舌が股間の粒を緩く緩く擦るから、どんどん快感が高まって、両足に力が入る。
碧の両足がアタシの突っ張った両足をまたいで締め付けるから、ぎゅってなったまま、逃げられない快感が溜まって、溜まって。
溜まり続け。
わななきが一気に身体を駆け抜けた。


何が起きたのかわからないまま、びくびくする身体を自分で抱きしめる。
思いがけずはぁはぁと荒くなった息をつく。

碧が、アタシの髪を撫でるから、目を開けると、寄り添ったすぐ目の前に、優しいまなざし。


「初めてイッたね」


「う?」


「何が起きたかわかんないんでしょ?」


うなずく。


「もっかい、ゆっくりやろ?
今のは急過ぎた」


キスを落としてから、碧は固く勃ちあがった乳首を優しく撫で始める。
アタシの身体はその優しさに焦れて、


「もっと」


って声になった。

碧は乳首を優しく撫でながらアタシを見た。


「ここ? 
もっと?」


「いつもみたいに。
さっきみたいに。
……触って欲しー」


「もう!
明日、知らないよ?」


言葉とうらはらな甘い声。
アタシの綺麗なエメラルドが、アタシを嵐のように、甘さで磨いていく。






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