私たちは謎のボールを隠れ玉と呼ぶことにした。
なんかその方がしっくり来るから。
隠れ玉を使って気付いたことは、
お互い隠れ玉を使っていれば、見えるってこと。
見えるって言ってもくっきりなんて見えないし、
なんか、半透明みたいに見える。
私たちはまだ、鬼がどんななのか知りもしない。
そんな条件下で、私たちは逃げている・・・。
あの人は私たち、いや、この学校で逃げている人が
防犯カメラで見えている・・・
もしかしたら・・・あの放送をしてた人?が
鬼を操ることが出来たら・・・・・・
私たちは何処に隠れようが逃げまいが、
見つかってしまう・・・
でも、そんなことするなら時間制限を
1日になんてしないし、
始まってからスグに捕まる人が出るはずだ・・・。
だが、"鬼を操れる"ことは確かではない。
私たちはそのわずかな希望に
賭けるしかないのか・・・?
どうにかして防犯カメラを見つけなければ
私たちに未来は無い・・・・・・
本当に、操れるんならどうしよう・・・
それよりも・・・あの声どっかで・・・
聴いたことあるような無いような・・・・・・
この学校の人・・・?
かもしれない・・・
だったら何故その人はこんな事を・・・?
恨みがあったから・・・?
まず、こんな事を実現出来るの・・・?
でも、それだったら・・・隠れ玉は・・・・・・
それよりこれは本当に現実なの・・・?
夢・・・?
夢なら・・・良いけど・・・
燐花・・・震えてる・・・
無理もないよね...
私だって震えを隠すのに気を取られてるもの・・・
なんか良く分かんないけど
燐花の震えが止まってる・・・
良かった・・・
「もし死ぬことになったら」
なんて言っちゃったなぁ・・・
ポジティブ・・・か。
今の私にはそんなこと考えられないよ・・・。
震えも止まらないし・・・
こんなんじゃ───
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。