第4話

4.
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2019/01/20 15:53
家に帰ると、乱れた息を整え



コートを脱ぐ



冷蔵庫に入れてあった飲み物を取り出し、カップに注ぐ



食器の洗い棚にマグカップが置かれてた



寂しそうに
あなた

…もう、いらない…よね…


コップを新聞紙で丁寧に包み、玄関に置く



少し躊躇した哀れな心も置き去りにしたかった



飲み物を入れたカップを、リビングの机に置き



私はソファーに座った



携帯をいじってると、携帯の電話の履歴が目に入った



シルクから



私はゆっくりと



シルクの連絡先を削除した



消した後、少し体が楽になった



それで力が抜けたのか、涙が流れた



心は傷つくばかり



寂しい、寂しいよっ…



誰でもいいから、そばにいてよ…



気づけば私はあの人に電話をしてた



プルルルル…プルルルル…


もしもし?あなた?
あなた

モトキっ…会いたいっ…

モトキ
え、今どこ?
あなた

おうちっ、

モトキ
わかった、!すぐ行くから絶対外でないでね!
ブチッ



焦った声をしていた



私を大切にしてくれるんだ、モトキは、



だから、私は



彼にこうやって依存するんだ、















何分かした後、ドアを開ける音が聞こえた



小さく、お邪魔しますの声も



よろける足で、玄関までの廊下に行くと



はぁ、はぁと息が切れ気味のモトキがいて



靴を脱いで私の家に上がろうとしていた
あなた

モトキ…



そう呼べば、びっくりした顔をして



急いで私の元に駆けつける
モトキ
どうしたの…?
滅多に泣かない私が泣いていることにびっくりしたのか、



焦ってる様子だった



目がくらみ、床に倒れそうになる
モトキ
おっと、
あなた

ごめん…、

モトキが抱きしめるように私の体を支える



ふわっと香るこの匂いが懐かしくなる



モトキ
リビング行こっか


優しく私の背中をさすりながら、リビングへと向かう



私はソファーに座り、



モトキは何故か、床に座った
あなた

もときっ、こっちっ、

ぽんぽんと私の隣を叩く
モトキ
あーーー、そういうことしないで
あなた

…?

モトキ
…なんでもない
少し頰を赤くして、私の隣に座った



私の隣に座ったモトキは



また優しく私の背中をさする



涙を堪えるのに必死だった









モトキ
泣いていいよ
モトキ
ずっとそばにいるから、
そう言って微笑む彼



私の中で何かが切れたように



モトキの胸の中で泣きじゃくった































こんな私を優しく抱きしめて、





優しくほぐしてくれる彼が





彼だけが








今の私の助けだった

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