今日、シルクが本命の彼女といるところを見つけた
シルクは、普段好きな人にどんなことをするんだろう
息ができないくらい激しいキスとか?
虜になってしまうようなエッチとか?
そう思ってると、シルクはそんなこと一切せずに
優しく彼女の手を取り、優しい笑顔を向けた
私の汚れた考えは、私の心の汚れ
きっと、どうせすぐ終わる
この目から溢れる涙も
張り裂けそうな心臓も
全部、すぐなくなるはずだ…
そう思うだけでも、体が軽くなるの
自分が間違っているとわかっているから
シルクの喋っている言葉が分かる
分かりたくないのに、分かってしまう
私にいう冷たい愛してるなんかじゃなくて
優しくて暖かくて愛がある
'' 愛してる ''
その表情も、彼女を撫でる手も
すれ違うとかすかに香る匂いも
大っ嫌い。
ため息は、冬の冷たい風と
白い吐息になって流されていく
私にすればいいのに
私の方が絶対満足させるのに
シルクのこんな姿を見るまで、そう思ってた
でも、
私に勝ち目はないみたいだねっ、
冷たい風を感じながら、シルクたちと逆方向に
走ってその場を去った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。