第9話

8.
1,336
2019/01/24 14:21
あなた

DVD見よー!✨

モトキ
うん笑
あなた

じゃん!もの◯け姫!

モトキ
おー!いいじゃん、見よ!









さっき、私がしようとしていたこと


忘れたかった


最低だから、こんなの


空いた穴をただ埋めたかった


寂しい思いを少しの間だけでも


逃れたくて、したくなくて


モトキを……シルクと思って抱いてもらおうとしてた











モトキ
面白いね〜笑
あなた

うん…笑

自分の絶ちを考えると


考えれば考えるほど頭が痛くなる




モトキ
大丈夫?
あなた

え?あ、うん

モトキ
俺の前では甘えていいよ
あなた

…ありがとっ…

もっきゅんが優しい声で私を楽にさせる


涙が出てきて、もっきゅんに抱きついて胸に顔を埋める
モトキ
あなた甘えん坊だね笑
あなた

ダメ?

モトキ
ううん全然
2人でソファーに座って、映画を見る


もっきゅんの膝に頭を預ける


ぽんぽん、と撫でてくれる優しい手


なんか…私ばっか甘えてるなぁ…


…そうだ!!!
あなた

モトキ!!

モトキ
わっ、どうしたの
あなた

モトキに膝枕する!!寝て!!

モトキ
え、いいよーべつにー
あなた

私が甘えてばっか!
モトキも甘えなきゃ!

モトキ
うん?笑
モトキ
じゃあお言葉に甘えて…
モトキが私の膝に寝っ転がる
あなた

いい感じ?

モトキ
うん笑


その後、夢中になってDVDを見ていると


下からスースーと寝息が聞こえた


チラッと見るとモトキは気持ちよさそうに寝ていた
あなた

…迷惑、かけてばっかだな…












彼を好きになれば、


傷つかなくて済む


きっとまっすぐに、幸せに向かっていける


なのに


なんで私は


こんなにもシルクに執着してしまうの


彼の甘い罠が


彼の甘い言葉が


大好物で離れられない











モトキに申し訳なくなって


風にあたろうとベランダに出た


ベランダに出ると、冷たい風が弱く吹いた


私の呼吸が白くなって消えていく











あなた

はぁ…

おーい!あなたー!
あなた

えっ!?

下から聞き覚えのある声が聞こえて


とっさに見ると私に手を振る





















シルクだった

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