人がいっぱい、。
新一年生
すごい多いんだな、。
どうしよう。
これじゃ全然見えない。
頑張って背伸びするけど全然見えない。
前にいる大勢の人だかりは一向に移動しようとしない。
どうしよう。
あった!!!!!!
C組。かぁ、
2階の奥から3番目のクラスだ。
後ろの人の迷惑にならないように、見たあとはそのままダッシュでその場を切り抜けた。
教室に入ると、もう沢山人がいて賑わっていた。
掲示板に席順が書かれていて、そこにその人の学生名札が貼ってある。
私は、、。
窓側の後ろから2番目。と、
席を把握した上で、名札を取ろうとした。
届かない。
教卓が1番下に掲示されているから、
後ろの方は随分高い場所にある。
必死に届かない名札に手を差し伸べる。
途端に私の肩に大きな手が置かれて、
後ろから大きな手が伸びてくる。
その手は私の名札を取る。
びっくりして後ろを振り向くと、
優しい笑顔で私に微笑みかけながら名札を渡されて、そのまま行ってしまった。
頭の中がぽかーんとしている。
あんまりにも綺麗すぎて上手く顔を直視できなかった。
でも覚えてる。
みんな呼び出されて教室から出ていく。
私も一緒にその場を後にした。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。