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第1話

『After the Rain』前編。
空は澄んだ青色。
それを彩るように桜が舞っている。


私は幼馴染と一緒に、さっきまで図書館で勉強をしていたんだ。




『あなた、早く帰ろ〜??』



少し離れて歩いていた私のことを呼んでいる。透き通るような白い髪。ほんのり桃色に染まった頬には、昔からバーコードのような線が入っている。顔立ちも整っていて見た目は完璧な男の子、まふまふくん。




「…うん!」




私はそう、答えた。


何気ない会話とともに、2人はゆっくりと家に向かっていた。すると、不意に声をかけられた。




『あれ、あなたちゃん…??』




ちょっと驚いたように私の名前を呼んだ。




「あ、こんにちは〜」





『わぁ、…そらるさんじゃないですか!』




”そらるさん”
そう呼ばれた人は、一つ年上、高校の先輩だった。どこかミステリアスな雰囲気を醸し出すような深い青の瞳。春の風に吹かれている青色の髪には少し癖があった。誰もが目を惹かれるような優しい笑顔。




『2人でどっか行ってたの??』




「はい、まふくんと一緒に…図書館で勉強をしてました。」




『家じゃ集中出来なかったので!』






『そっか、お疲れ様。』




ふわっと、優しく頭を撫でてくれた。
この時私は純粋に嬉しかった。
幼馴染が嫉妬していたとも知らずに…





『じゃ、またね。』






ほんの僅かな時間だったけれど、先輩と話すことが出来て嬉しかった。





「じゃあまふくん…帰ろうか??」




『…あ、うん!』




ぼうっとしていたのか、慌てて私のあとをついてきた。


私は見逃さなかった。幼馴染の顔が曇っていたことを。








『ねぇ…あなた。』










後編に続きます。