前の話
一覧へ
次の話

第9話

リクエスト②※[R-18]※
613
2023/03/17 13:38

久しぶりに入る彼の部屋は懐かしかった。
白と茶色で統一されたシンプルな部屋。






『お待たせ〜。』






成瀬が部屋に戻ってきた。







「おかえり。あ、ありがと-。」






両手には麦茶の入ったコップを持っていた。









『いーえ、あなた。麦茶好きでしょ?』




ふっ、と微笑み笑いかけてくれる。





「うん…好き。」





君の方が好きだけど


そんな台詞はどこかの映画のヒロインでも言わない。






『…そーだ、勉強やるんだよね。』






「あ、そうそう。」






そういって私は英語の問題集を取り出した。







『英語か…。あなた暗記得意なんだから、頑張ればすぐ出来るようになるよ。』





成瀬は元々成績がいい。特に英語、発音もめちゃくちゃ綺麗だった。






「そうかなぁ…。」





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈






『I like music. My dream is to become a musician, and I practice singing every day ….』




すらすらと教科書を読み進めていく成瀬。まだこの辺の範囲だったら理解出来そう…?





「将来ミュージシャンになりたい…ってこと、?」





『お、そういうこと。私は音楽が好き。将来ミュージシャンになりたい。だから毎日歌っている。みたいな感じかな。』







”意外と簡単でしょ?”






と 丁寧にわからない所を教えてくれる。







────────────────────






そんなこんなで辺は暗くなっていた。






『暗くなってきたね…ご飯、食べる?』



パタン、と問題集を閉じた成瀬はテーブルに突っ伏した。その疲れきった姿に思わず私は笑を零してしまった。



「そーだね、ご飯つくろ…!」




私は立ち上がると成瀬の手を引っ張って彼を立ち上がらせた。





“今日は何にしよっかな〜”





と成瀬はるんるんとした様子でキッチンへと向かっていた。成瀬は昔から料理が上手く、いつ食べても彼の料理は絶品だ。





『あなた、オムライス好きだよね?今日それにしようよ。』




成瀬が作るオムライスは世界一だ。私は大きく頷き、急いで成瀬を追いかけた。












────────────────────





私たちは夕飯を済ませ、テレビを見ながらダラダラした後、順番にお風呂に入った。女の子優先だと言ってくれていたが、まだ休憩していたかったし、家主は成瀬なので今回は先に入ってもらうことにした。




『お風呂あがったよ。』




ソファに座りながらSNSを見ていた私の頭をポンと撫でると、成瀬は私にお風呂へ行くよう促した。



「ありがとう、入ってくるね。」





私はタオルの位置やシャワーの使い方を教えてもらい、お風呂に入らせてもらった。成瀬が出てすぐにお風呂場に来たため、室内は湯気で少し白くなっていた。





当たり前のことだけれど、置いてあるシャンプーもボディーソープも成瀬と同じ香りがして、なんだか少し、ドキドキしてしまった。












────────────────────








お久しぶりです。
気が向いた時にこっそり更新していこうかなと思っております。更に進化した夢小説をお届けできれば幸いです。

プリ小説オーディオドラマ