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第6話

口癖_。『luz』

『大丈夫だから。』




それが彼の口癖だった。



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彼と出会ったのは一年前の2月。

丁度、私の受験シーズン辺りだった。
希望している高校に入りたくて毎日一生懸命努力した。

結果、見事合格することが出来た。



その後通い始めた学校は校風も学力も私に合っており、だから受験した。と言っても過言ではなかった。


でも第1の理由はそれではなかった。






”大好きな彼が居るから”






くだらないと思われても仕方が無いと思っている。でも私には譲れない思いがあった。
それは────────────








7月_


夏の暑い日差しを全身に受け、授業に集中するどころか先生までもがバテそうだ。

こんな日は好きな部活に熱中するのが一番だと思う。それを楽しみに一日をなんとか頑張った。




私は吹奏楽部に所属している。もちろん、彼も。彼は高校2年生。一個年上にあたる。
学校でも人気者の彼は女子の多い吹奏楽では毎日のように囲まれている。







「るす先輩〜!すみません、ここのメロディーが分からないんですけど〜…」





「あ、先輩!コンクールの課題曲決まりましたよ!」






「るすくん!ちょっと楽器運ぶの手伝ってくれなーい?」







後輩から先輩まで。みんな彼、るす先輩のことを呼んでいる。人柄の良い先輩は順番に対応していっていた。






「みんな待ってな。順番になぁ?えーっと、ヘ音記号はここがファだから…この部分は〜、」





そう言って自身が担当しているサックスで1小節軽々と吹いてしまった。






「あっ、ありがとうございます!!」





教えて欲しい、と頼んでいた子も頬を薄いピンク色に染めていた。







「課題曲それになったんやね〜、いいじゃん。かっこいいもんなぁ…」








「楽器ですか?全然運びますよ〜」







この通り本当に人気者だった。

誰もが先輩に好かれようと頑張った。

何故ならまだみんな知らないから。







彼女が居るということを。





何故私が知ってるかって?








そう、私が彼女だから。





告白されたのはつい先日。
丁度ミーティング終わりのことだった。
少し話があると、2人で教室に残った。





『ごめんね。わざわざ残ってもらっちゃって…』





いつも通り柔らかい笑を浮かべていた。




「そんな、全然大丈夫ですよ〜」





『それで…話なんやけどな?』











”ずっと前からあなたが好きやった”











突然、そう言い放たれた。








「…えっと…嘘。ですよね…??」







私は苦笑いを浮かべながら尋ねる。







「…本気やったらどうするん。」







ダンッ





不意に壁ドンをされた。








「せんぱっ…ん、…」








名前を呼ぼうとしても…、
唇を塞がれてしまった。







「…ってこと。わかった…?」







くすっと笑った先輩の顔は
小悪魔のような表情をしていた。








「はいっ…」









──────────────────





それから半年が過ぎ
寒さも増してきたある日のことだった。








「あなた、お待たせ。」






図書館で待ち合わせをしてから
映画に行ったりしようと
久々に立てたデートの約束だった。






「あ、先輩。」







行こうか、そう言った時だった。











バタッ






先輩が倒れた。
突然のことだった。



どうして。



どうして。



どうして。







何が起こったの…??





私は急いで救急車を呼んだ。

周りにいた方たちに支えられ

何とか病院まで行くことが出来た。












「…残念ながら、余命はあと2ヶ月でしょう。今まで生活出来ていただけて奇跡です。」









先輩は重い病気にかかっていた。


でも

みんなに心配かけまいと

おかしなことがあっても

誰にも相談しなかった。




”2ヶ月”



あと2ヶ月しかいられない。


だから


早く



目を覚ましてください。








それから2日後のことだった。







「ん、…ぁ、…あなた…?」








病室で本を読んでいた私は

先輩の声に驚いた。


頭は追いついていないが

自然と涙が溢れてきた。








「せんぱい…?!よかった…」







私は急いで看護師さんを呼んだ。


何をするにも涙が止まらなかった。








「…もう…そんなに泣かんといて 笑」







久しぶりに見る先輩の笑顔。

どこか晴れやかな顔をしていた。







「だって…先輩と話せて嬉しくて…っ」







先輩の手をそっと握り

不安だった。と伝えた。








「ごめんなぁ…でも、俺は大丈夫だから。」







にこっと笑えば、水を飲み。


自由なところは変わらないな。











────────────────



それから半年が過ぎた。



2ヶ月。という期間はあっという間に過ぎ

少し安心していた時だった。







「先生!るすさんがっ!!早く!!」







先輩は突然心臓の状態が危険になった。

私はその時何も知らず学校にいた。

授業中だった。









なんでなの。











先輩はその日亡くなった。




本当に突然のことだった。




病院も緊急処置を取ってくれた。




けれどダメだった。









『大丈夫だから。』









大丈夫じゃなかったよ。












あなた




あなた




あなた




あなた






また名前を呼んで欲しくて。







あなたって






抱きしめて欲しくて






何度も何度も生き返ってと願った。








あなた、大好きだよ。










亡くなる一日前に笑いかけながら

そう言ってくれたね。






私も先輩が大好きです。





照れながらも伝えておいて

本当によかったと思ってる。








先輩。




今までありがとうございました。






いや、





これからもよろしくお願いします。







ずっと









見守っててくださいね。

















Eternal love for you





貴方に永遠の愛を。

















るす先輩が大好きです。