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第5話

部活動。『うらたぬき』
今日も授業が終わり、毎日楽しみにしている部活の時間が近づいてきた。
私はバスケ部のマネージャーをしている。先輩達は私たち後輩から人気のある人ばかり。だからマネージャーをやって欲しいと頼まれた時はとっても嬉しかった。







「よろしくお願いしま〜す」







独特な夏の暑さを感じさせる体育館。







『あ、あなた。昨日の試合の結果なんだけどさ…────────』







真っ先に声をかけてくれたのは、部長のうらた先輩だった。バスケ部の中でも特に人気のある先輩だったので、私も憧れの人だった。






「あっ、それなら資料に纏めておいたので…ミーティングのときに渡しますね!」






『おぉ、まじか?!ありがとな。いつも助かってるよ。』






そう言って頭を撫でてくれる。







「いえ、みなさんの役に少しでも立てればなぁ…と思ってやっただけなので…!」







『もう既に役に立ってくれてるだろ。一日で作るの、大変だったろ??』








「いや、まぁ…ちょっとは…??」






確かに1人で纏めるのは大変だった。







『全く…無理して倒れんなよ〜?まねーじゃーさんっ。』






少し馬鹿にしたようにいつも心配してくれる。







「もうっ、大丈夫ですよ〜!」








『ハイハイ、でもほんとに無理すんなよ?心配だから、。』






「…はい。」






そんな笑顔で言われても少しドキドキしてしまう。先輩にそういう気持ちは抱かないって決めたのに。






『じゃ、全員集合ー…────────』







集合の合図を先輩がすると、他の部員達もわらわらと集まってきた。







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気がつけばもう暗くなり始めていた。少しずつ帰る準備を進めていくが、みんな暑い中練習していたからか動きが鈍い。私も少し水を飲んでこようかな、そう思った瞬間…






バタンッ






誰かが倒れたような音が体育館中に響いた。






『うらたっ?!』





他の先輩方の戸惑ったような声が聞こえてきた。





「えっ…??」






私はバッと振り返った。それから…驚きが隠せなかった。

倒れていたのはうらた先輩だった。








「…部長?!大丈夫ですか?!」






思わず駆け寄った。顔が赤い。額に触れてみるとやはり熱かった。暑くて倒れてしまったのだろうか…??







『あ、先生呼んできたぞッ…!!』







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私は保健室にいた。先生に目が覚めるまでいてあげね、なんて言われてしまったら断れない。でも…言われなくても一緒にいようとは思っていた。







『……あなた…、??』








「…先輩っ…!!」






目が覚めたのか、少し弱っているような声が聞こえてきた。







『あれ、…保健室…?』







なんでと言わんばかりに動揺している。何があったか覚えてないのだろうか。









「…先輩、覚えてないんですか…??」









『えっ、?…なんかあったっけ…。』







少し苦笑いを浮かべている。本当に覚えてないのだろう。







「…先輩、倒れたんですよ。」








『えっ、あ、…だから…ここに居たのか…??』









「そうですよっ…!無理しないでって…先輩こそですよ…どれだけ…心配したか…っ…!!」







私は俯き、零れそうになる涙を必死に抑えながら震えた声でそう伝える。







『…ごめん。あなた、心配かけて…』








落ち着いた声と共に優しい手が頭を撫でてくれている。誰にでも素っ気ないというか、冷たい先輩なのに…私と話す時だけはいつも優しい。そんなの……









「…好きになっちゃうじゃないですか…」









思わずそう声に出してしまった。










『…へっ、?』









「…へぁっ、や、…今のは…違くて、…その…何でもないです…!!」









『…ふーん…なんだ。ちょっと嬉しかったのに…』









ちょっとムスッとしたような表情を浮かべ私の方を見ている。










「えっ、と、…」











『だーかーら、!俺はあなたが好きだってこと!』









少し怒ったように先輩がそう告げた。









「えっ、…」









『ったく…ほんとに鈍感だなぁっ、…』








「…ごめっ、…その…」







”嬉しい”

そう告げたいのに涙が溢れてくる。








『おいおい、泣くなよ。こんなことで。』










「でも…嬉しくて…っ…」








『はぁ……好きだよ、あなた。俺と付き合ってください。』









もう一度しっかりと伝えてくれた。










「っ…勿論です…!」






それからゆっくりと二人の距離は縮まっていった。誰もいない保健室で、先輩は私の唇に甘くて優しいキスを落とした。


















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如何でしたでしょうか〜少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!これからもよろしくお願いします〜